2011年12月11日 (日)

「プリキュアにちからを〜〜!」TVのネタバレOP期間(笑)も終了したところで、ある意味では今さら感サクレツですが(苦笑)劇場版スイプリ、インプレッションです〜。

もう年末ですが、11月末に二度目の劇場版『スイプリ』を見てきました。
Pc119147

ご存じの通り、今回の映画は「プリキュア」映画としては初めて、キッチリ本編とリンクした内容になっていて、公式には36話と37話の間のストーリーとされていますが、37話とこの劇場版のどちらを先に観てもあまり問題ないように工夫もされています。

例えば、アコがメイジャーランドへ帰る云々のやりとりやエレンに対してアコが「姫様はやめて」と言ったり、改めてアコがミューズとして戦い続ける決意をするくだりなど、37話と敢えて重複したシチュエーションが盛り込まれています。
…が、流石に11月末ではちょっとちぐはぐなカンジもありますが、厳密に時制を合せているわけでもないので、極端に違和感があるほどでもありません。

また映画のメインテーマになっている、アコとメフィストの親子の絆も、メフィスト自身が改心後TV本編では現状まだたいした活躍をしていないので(そこもシリーズ構成的に考えられていると思われますが)、最大の見どころであるメフィストの家族への想いは、この映画でしか観ることが出来ない点もミソ。

本編とのリンクという点でいけば、ひまわり畑の中を幼いアコを肩車して楽しく進むメフィストという、36話でも出てきた幼い頃のアコ姫がひまわりのカチューシャをしていた意味を絵解きする感じのシーンもあって、そこもニヤリですね。

その改組磯シーンにも象徴されるように、作劇的には父子の関係性を浮き彫りにしているだけあって、誤解を恐れずに言えば、この映画の真の主役はメフィストと言っても良いでしょう。
…重たい言い方をするならば、メフィストの贖罪を描く話になっているので。
もっとも、メフィストが基本三枚目キャラなので、適度にコミカルなので、全体としてはシビアな感じはないですけれど。

ただそれだけに、要所要所で見せる格好いい演技(堀内賢雄氏のイケメン声と眼光鋭い表情芝居の両方)が、ギャグキャラ芝居とのシームレスな流れも相まって、グンと引き立っています♪

例えば、メイジャーランドに響たちとやって来たシーンで、鍵盤の道が突然消え去った時に、咄嗟にアコを抱えて庇うように落下する父親らしさと、着地失敗の上に、響たちにクッション代わりにされてしまうかっこ悪さ(それでもアコは離さずにいるところが、さりげなくイカしてる!)。
あるいは、ドラマ面でのクライマックスといえる、囚われたアコの前で必死に歌を歌い続ける健気な姿──ダブラしでメフィストの心が幽体離脱するかのような画にして、「心で歌う」姿を表現する演出も憎い!
また、アフロディテに剣を向けられない苦渋の表情や、その後のハウリングを引きはがす一か八かの策として、王宮から彼女とともにダイブするシーンでの、鬼気迫る駆け引きの台詞なども胸を打ちます。

そんな真摯な姿に、ちょっとアコが父親としてメフィストを見直すというストーリーの構造なので、一緒に観ている親御さんたち(特にパパさん)は、「思ったよりもいい話だったね」という以上に、もっとダイレクトにメフィストに感情移入できるのはないかと思います。

プリキュアはキッズ向けではありますが、親子揃っての鑑賞が最も多いと思うので、メフィストを裏主役にしたのは大正解だったのではないでしょうか。

一方、本来の主役である響・奏・エレンの活躍も当然あります。
監督の池田洋子さんは、アコ-メフィストと同時に、本作の基本ラインである響-奏の関係性も意識していたとのことですが、そこをアピールするように前半の森の中でのコミカル気味なバトルでは、メロディとリズム、エレンとハミィに別れる形で展開して行きます。ここでの、二人が無理矢理ベルティエを出そうと悪戦苦闘する辺りの漫才感がもう最高☆

さらにクライマックスのハウリングとの戦いで危機に陥り、クレッシェンドキュアメロディに変身する前後は、メロディとリズムにフォーカスした見せ方になっているのもポイント。
ハウリングの右手に掴まれて動けないリズムを救うために、単身立ち向かおうとするメロディ。そのリズムごとメロディを殴り潰そうとするハウリングに、悲痛な叫びを上げるリズム。その刹那、クレッシェンドverになったメロディがリズムを救い出し、その手を取ってふんわり着地すると展開や画面の構図は、完全にメロディ=王子様・リズム=お姫様のそれ!

意図していたかは分かりませんが、その意味では宝塚的でもあります。
その上でハウリングを圧倒させるいわば必殺技として、メロディとリズムでのクレッシェンドverのパッショナートハーモニーなのですよ!!
最終的には4人のスイートセッションアンサンブルで打ち倒すわけですが、そこはミューズが4人でプリキュアだと意識する流れもあるので、やむなしというよりは妥当なところだと感じました。

で、本作はTV本編と完全にリンクしていると言うことは、逆にこの流れを受けて、最終回ではリズムもクレッシェンドverになって、パーフェクト版のパッショナートハーモニー・クレッシェンドを見せてくれる可能性もあるわけですねヽ(´ー`)ノ

さてさて、ここまで来て今回の映画のメインゲストであるスズに全く触れていないのですが(笑)、正直な話、メインゲストとしての印象は薄いです(^^;;

本編呎(前説や二段構えEDも込みで)70分前後という制約ゆえ、おそらく脚本段階でなくなく掘り下げることを諦めたのではないかと考えられます。
…もし後20分呎があれば、スズとアコの関係が描かれたのではないでしょうか。
なのでかなり状況説明キャラという部分は否めないのですが、その結果としてドラマをアコとメフィストに集中させることにもなっています。
Pc118956tただスズとアコが友情の証として持っているペンダントを、ミラクルライトーンのトップとデザインを合わせていて、彼女がプリキュア達の戦いを見てそれを握りしめ応援する気持ちを込めるという流れにして、ライトーンの登場に説得力を与えている点は見逃せません。
そういった具合で、下手に話が散漫になるよりは、このバランスで正解だったという印象の方が強いですね。

細かい点では、冒頭の加音町でのBGMの付いていないカットでは、街の喧噪感として楽器のチューニング音を乗せることで、音楽の街の印象や、音楽を奪われた後の異常感を演出する形にしている辺りがゲイコマ。
同じように、音楽を失ったメイジャーランドでは虚ろな静寂感を出すために、無音にするのではなく乾いた風の音ややけに響く靴音など、巧みにSEを利用してもいます。

という具合で、トータルとしては良い意味で軽めにしてアクションもふんだんな内容で、それでいてドラマとしての見応えもちゃんとある仕上がりでした☆

が、不満が一つ。
本編EDが実質1ハーフ程度なので、エンドテロップのスクロールが速い速い!
原画マンを追い切れないよ!!www

ちなみに、コンテが複数の演出家で分け合っているのは事前に知っていましたが、演出処理も山口裕司さんと廣嶋秀樹さんが入っていたとは!
作監補での宮本絵美子さんの参画は想定内でしたが、青山充さんも作監補だったことに、超ビックリ!…森でのシーンが青山さんの作監パートではないかしらん?

ところで、1回目に観た時、多くの子供たちがニャンバイザーをハミィ側にして被っていたのも印象深かったです。
ハミィをプッシュしてきたマーチャン展開や、それを後押しする愉快なキャラ付けが大成功している証だなぁと思ったり♪
…火曜日に観た時には、在庫が無くなってしまったのか、バイザーは配布していなかったようでした。

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2011年11月30日 (水)

たの幼恒例のプリキュアDVD。でも今年はちょいと方向性が違うのでした。

『プリキュア5GoGo』以来毎年、年末付近の講談社幼児誌に付いてくるプリキュアのDVD。
今年は昨日発売した たのしい幼稚園1月号に付いてきました☆
Tanoyodvd

例年ならば「おたのしみDVD」と銘打った二巻構成で、前後期両OP・EDやバンクシーンをまとめた、いわば“資料系”映像集なのですが、今年はなぜか単巻で、しかも知育系コンテンツやヘアアレンジのハウツーを中心にした内容で、タイトルも「あそぼうDVD」。

資料映像的なものを期待していた人には、結構残念かも知れませんデスね〜(^^;;

22h00m34s51でもこれまでこのDVDを見てきたファンならば分かると思いますが、毎年実は一番の見どころは着ぐるみプリキュアが繰り広げる漫才トーク(笑)だったりするわけですネヽ(´ー`)ノ

そこは、今年もそれなりに安泰♪22h12m25s0
着ぐるみのメロディとリズムがMCとして登場し、各コーナーを繋ぐ際にイイカンジのトークを見せてくれます。
特に、10話でのゴリラダンスを着ぐるみの二人が披露してくれるとか、仲々侮れない一幕も☆

また一番の売りになっている、メロディ、リズム、ビート、ミューズの髪型を実際にリアルょぅι゛ょさんにしてもらうコーナーは、ヘアアレンジャーさんの腕前に唸らされたり。
22h01m54s30
で、ヘアアレンジコーナーは、メロディへのなりきりでは小清水亜美嬢が説明するというように、各プリキュアがそれぞれ説明する形になっていまして、ここでミューズとビートがカメオ的に声だけ登場します(^^;;
ここでの大久保瑠美嬢のしゃべりのテンションが、アコというよりはかな〜りグリちゃん(特に「のりのりどうぶつずかん」の!)ヽ(´ー`)ノ
そんなグリちゃんみたいなアコも、なかなか萌えるものがありまする☆

22h27m15s89そして、最後はょぅι゛ょさんがキャラリートを着てカワユクキメポーズを取るという、これはこれである意味美味しいカットもあったり(爆)。
・・・もう、あるUSTで「リアル幼女好き」とか言われて以来、開き直りましたよwww

まぁ確かにバンク映像の方がトータル的には美味しいわけですけど、DVDのオーサリング等のスケジュールを思うと、ミューズ変身や技バンクがその段階では完パケていない可能性が高いですから、ハナからコンセプトを切り替えたのかも知れません。
あるいは例年通り2巻構成で、2月号にも付くようにする形なら可能だったかも?…その点で行くと予算的なところもカセになったかも知れないですね。

てなカンジで♪今年も、一応のツボは押さえた内容ではありました。

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2011年8月11日 (木)

ネタバレ多数w「プリキュアオールスターズDX 3Dシアター」観てきました!!!とにかく百聞は一見にしかずで、プリキュアファンならば絶対に観ておくべき超絶映像だ〜〜!

昨日さんざんツイートしたように(笑)、池袋サンシャインシティで開催中の「たまごっち!EXPO」と「スイートプリキュア♪キラキラハーモニー」にいってきました〜。

同時期開催なんて、もうオレ得以外の何者でもないわけですヨヽ(´ー`)ノ
会場に到着した時、どちらも入場待機列が長蛇の列で仰天だったのですが、列が短めだった「たまごっちEXPO」から先に観て、ラブリンとメロディっちの着ぐるみステージを堪能した後、「キラキラハーモニー」を見学。

歴代プリキュアの展示に始まり、『スイプリ』を題材にした様々なプレイコーナーとイベントステージに混じって、目玉の「プリキュアオールスターズDX 3Dシアター」の上映コーナーが設営されてます。

このイベントで使用される3D用上映システムは、少なくとも「鬼太郎カランコロン3Dシアター」の頃から使用されているものと、基本は同じと思われます。
・・・「鬼太郎」の時は、偏光メガネが紙製(キャラ絵があしらわれている)で、それ自体がノベルティとして持ち帰れたのですが、今回はプラスティック製フレームの回収式になっていました。
この上映システムを運営しているのは、東映アニメではなくダイナモピクチャーズ(『よなよなペンギン』とか『ラブプラス』作っている会社)だそうです。

きちんとした上映施設とはもちろん比べるべくもないのですが、見た目のショッパイ感じ(苦笑)から受ける印象に比べると、結構ちゃんとした視覚効果を得られるという、個人的にはなかなか優れたシステムだと思ってます。

「3Dシアター」は入場者には、パスケースがノベルティとして配られていました(年齢差別はないのでw大人もちゃんともらえるよ!)。

さてさて、その「3Dシアター」。肝心の本編はというと、もう感嘆という言葉しかないデス!
あまりの素晴らしさに(それほど激烈に混んでもいなかったし、上映自体も、入れ替え即上映のいわばヘビロテ状態なので)、2回観てしまいましたよ!!

・・・てなカンジで♪以下インプレに行きますが、「3Dシアター」の冒頭部分がある意味一番のサプライズなので、未見の方は読まない方が良いです(^^;;

「3Dシアター」は、『DX2』のエンディングダンスCGディレクターの宮原直樹さんが中核メンバーとして(プロジェクトリーダーなのかディレクターなのかはよく判りませんが)参加しており、そうした流れからも『DX2』のエンディング(ビデオグラム収録の長呎版)の進化形と位置づけて良いかと思います。
・・・余談ですが、この作業と併行していたと思われる『スイプリ』の新EDには、『DX2』と併行していた『ハトプリ』ED同様に宮原さんの名前はクレジットされてません。

総呎は役12分と公開前からアナウンスされていたので、歌とダンスでそれをどう小さい子に飽きさせずに(←ココ重要!)まとめるのかが、実はまず関心事でした。
が冒頭のシーンで、それは杞憂に終わります。
画面は神秘的な星空からスタートして、小さな流れ星の光がとある玩具量販店で販売されているキュアドールのキュアメロディに当たり、彼女は「命」に目覚めて動き始める。すると……というストーリー性あるキャッチーな仕掛けがいきなり用意されていて、そのあまりのサプライズな展開にドギモを抜かれて、もう画面に釘付けですよ!!!

メロディが店を飛び出して“冒険”に出ると、風変わりなTVモニタと出くわし、そのモニタに映し出された「自分の姿」がお馴染みのリアル頭身の3D-CGIモデルになっているという展開で、ここでやはりキュアドールのリズムが登場し、二人でちょっとしたパントマイムの漫才を繰り広げてくれます。
このキュアドールたちのコミカルなオーバーアクション気味の芝居が、また表情豊かで可愛らしくて……。得も言われぬファンシーな空気感もバツグン!
正直キュアドールのモデルを主人公にしたムービーを観たくなってしまいました♪

無生物の玩具が夜になると動き出す、というシチュエーションとしては童謡の「おもちゃのチャチャチャ」や『トイ・ストーリー』などの例を挙げるまでもなく、かなり定番的なものではありますが、「トイザラス風の玩具量販店の店頭にあるキュアドール」が動き出すことが、極めてメタフィクション的で、現実との見事なインターフェイスとしても機能しているわけです。

イベント会場の物販コーナーでも当然キュアドールが売られているわけですが、これを観た子供たちが「このキュアドールも(あるいは家にあるキュアドールが)、もしかしたら動き出すかもしれない!」と感じてもらえることもおそらく含めての、心憎い演出と言えるでしょう。
(もしかすると、キュアドールのCFから逆にインスパイアされたのかもしれません)

そんな具合で、「キュアドールのメロディとリズム(そしてビート)の一夜の夢」といった趣で、メインディッシュである華麗なダンスのオンパレードへと画面が切り替わります。

ダンスシーンで使われる曲は、確か6曲(セットリストを作ってみたわけではないので、違ってるかもですが(汗)で、プロローグ部分も結構長いので、おそらく各曲の平均は1ハーフプラス程度だと思います。
MCもナレーションもなく延々とダンスメドレーを繰り広げるコンセプトの映像なので、幼児はあまり長い曲には集中できないことを考慮しての時間配分ではないかと考える次第。
でも、そこが逆に千変万化な感じになっていて、めくるめく華麗な映像に仕上がっています。

また、曲ごとにステージセットもガラリと一変して、統一感は持たせつつも空間そのものが変貌するような印象もあるので、そこも実は映像のメリハリとして大きくものをいっています。
ステージセットに対する変化の付け方は、『DX2』EDダンスで「ステージが第二の主役」と位置づけていた考え方をさらに推し進めたものですね。

このステージセットの変化は、もう一つ、今回のムービーが3D(立体視)である点も大きく関わっていると思われます。
現在の立体視は「突出感」ではなく「奥行き感」を重視したもので、“スクリーンの向こうに別世界が広がっているような”臨場感を目指しています。
最大22人という大人数を収めるステージ(実際、22人のプリキュアが横一列にズラリと並ぶなんていうカットもあります)の縦横な広大さを表現することが、立体視という側面でのテーマだったように思えるからです。

事実、ダンスがメインの映像ではあるのですが、最初のナンバーでまず驚かされるのは、天井の高さと周囲のアリーナとステージ上のプリキュアたちとの対比から来る、ステージセットの途方もない広大感!
ダンスも、出来るだけフルサイズで、可能な限り踊っている全員をフレーム内に入れ込みたいという、大スクリーン前提のレイアウトにもなっているので、トータルとして引きや俯瞰のショットが多く(少なくとも、そうした印象が付くコンテになっている)、『DX2』の時のようなアクロバティックなキャラのギミックもほとんど入れていないので、巨大なステージでのダンスパフォーマンスといった趣の映像表現だったりします。

そこに、要所要所でキャラのウエストサイズの、いわゆるかぶりつきやステージ上のカメラのカットを入れ込んで、キャラクターモデルも引き立たせる形になっています。
そうしたアップショット(いわばソロ的な見せ場カット)は、各プリキュアそれぞれに用意されていて、その配分もかなり苦労したのではないでしょうか?

そこでの細かい活き活きとした表情や、手付けで加えられたドレスのふんわり感、マスゲームにならないよう微妙に調整されたモーションなどは、もう今さらいうには及ばず!
ステージの広大さと、各キャラのアップ的なショットというアンビバレンツな要素がどちらもちゃんと心に残っているというのは、しかしスゴイ話です。

もう一つ特徴的だったのが、各モデルの前後関係において極力空気遠近を排していたことです。
同じチーム同士(例えばスイートのメンバーのみ)のフレームであれば、前後関係に合せてアップに限り背景側にボケみを加えることはあるのですが、異なるチーム(例えば、手前がスイートで奥にハートキャッチ)みたいな場合は、完全にパンフォーカスになっているのです。
おそらく、22人プリキュア全員が“等しくメインヒロインである”という考え方から来ているものではないでしょうか。
でも人間の目というのは実はこういう時は主観的にパンフォーカスなので、生理的にもカタルシスの高い表現です。こうした物理的なレンズ効果に縛られず、より生理的に則った映像表現が可能な点もアニメの良いところでもありますね。閑話休題。

逆に、ステージ背景となっている「PreCure」のネオンサインは普通にショットの構図に応じてボケ処理が行なわれていて、ここだけ主従関係が付けられている点も、キャラを引き立たせる要因になっているかと思います。

このようにパンフォーカス状態と俯瞰の多用もあって、ロイヤルボックスから鑑賞しているかのような錯覚に陥ります。・・・この観る側のロイヤルボックス的な感じも、個人的にはプレミアム感に貢献している気がしました。

セットリスト面でも、スイプリ主題歌(スイート組のソロ)から始まって、歴代メンバーの紹介の意味も持たせたオールスターズでのお馴染みの曲などを挟み、バラードナンバーで聴かせた後テーマメドレー、ラストナンバーへ怒濤の展開と、ライブステージ感バッチリの並びになっており、その配分具合にも呻らされます。

とにかく百聞は一見にしかずで、プリキュアファンならば絶対に観ておくべき超絶映像です。
そして、いつか大スクリーンでこの映像が見られると嬉しいなぁ!>お願いしますよ、東映アニメさん!!!

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2011年3月24日 (木)

一週間遅れで登場!ミラクルベルティエ[ツイッターまとめ&修正]

Sp061
地震の影響で放映がとんでしまい、玩具発売よりも遅れての本編登場となりましたミラクルベルティエ。

パッショナートハーモニーはもとより、必殺キックも二人揃ってでのパターンになっているスイートの二人なので、お馴染みの単独アイテム技も新鮮な印象がありますね☆

しかもそのバンクがとっても良い!
プリキュアのアイテムはどうしても得物的なアクションになる傾向があって、そこと魔法少女モノっぽさとのバランスをどう取るかが各シリーズごとでの腕の見せ所でもあるように思うわけです。そこからすると、ベルティエは一番魔法少女モノ的な感じかな?と。

Sp062パッショナートハーモニーが攻撃としては直接的な分、ベルティエのビームはネガトーンを「包み込んで大人しくさせる」風に見えるのと、ミリーを合体させる時の「おいで」の台詞やキメポーズでのメロディのステップがかわいく軽やかなことも、ベルティエの得物臭さを低くしているように思いますね〜。

キメのメロディの楽しげな表情も抜群で、小さい子は間違いなく欲しくなりそうな感じがしますヨ♪

しかし攻撃の際「三拍子!」と言っていたけれど、「四拍子!」みたいな攻撃バリューがあるということなのかしらん??

…そういえば、今日のEDにはバンク要員と思われる原画マンさんのクレジットはなかったですね。すると本編とあわせて全部ダブが請け負ったと言うことなのかニャ?

ただバンダイがCMを自粛したお陰でベルティエのCMが見られなかったジャンヽ(`Д´)ノ 楽しみにしてたのに〜(´・ω・`) まぁその分、空の提供ベースというレア映像を録画することが来ましたけどネ(^_^)v

さてさて、お話の方はといえば、本来は3月14日前の放映予定だったので、ホワイトデーを題材にしたエピソード。
ニチアサ枠は2月開始という都合から、女児ものであるにも関わらずバレンタインネタを組み込めないというハンディが付きまとってきたわけですが(余談ながら『どれみナイショ』は、その仇を討つために(笑)バレンタインの話が組み込まれたほど)、こうしてホワイトデーから逆にバレンタインを引っ張ってくるという方法は、かなり目から鱗!
回想として、きっちり王子先輩にチョコを渡す奏のカットなどもインサトーしていて、なかなか抜かりないモノがありましたニャ☆

奏の弟くんが姉に「日ごろの感謝を込めて手作りケーキを作る」というシチュエーションを軸に、彼の言動について響と奏が対立。奏の方が弟を誤解していて謝ろうとするという展開を受けて、Sp064バトルシーンでもリズムが体を張って弟を助け出すシークエンスが一つの見せ場となっています。
・・・ここでの、リズムが貯め込んだ気持ちをダイアログにして一気に吐露してゆく持っていき方は、まさに成田良美脚本の真骨頂ですね〜。

Sp065ラストで、カップケーキがワサビ入りで響と奏が顔を真っ青にしてしまうオチはギャグ表情もさることながら、優しい気持ちとイタズラ心がない交ぜになっている小学生男児的な感じがして、そこもグッドでした。

そんな具合で、全体としては奏(リズム)に軸を置いたお話だったので、厳しいことを言えばメロディの新アイテム登場編にはちょっと役不足だったかも??とか(^^;;

Sp063あ、そういえば!せっかく登場した、奏の弟くんのクラスメイトのメガネっ娘のアコちゃん(このネーミング、狙ってるとしか思えないんですけどww)。キャラクター性を印象づけただけで、話にまったく絡まなかったじゃないですか!!(゜∀゜)
・・・予告からは、弟がアコへお返しする話みたいなミスリードもむしろ巧かったデス♪
これはもしや、最初からセミレギュラーというコトかも?だったらイイナ!──そして「3人目のプリキュアはあんさんや!」的ミスリード要員になるとwなんちゃって。

あ、ブログ側で『スイートプリキュア♪』のインプレを書くのは、これが初めてだったことに気がつきましたよヽ(´ー`)ノ

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2010年10月23日 (土)

日付は変わってしまいましたが10月22日は、もこタン記念日!恒例のプリキュアキャラデコに加えて、今年はプリキュア・キャラレターでお祝い♪

10102203日付は変わってしまいましたが、今年もやってきました! 毎年恒例の「もこタン記念日」ヽ(´ー`)ノ

毎年、我が家に初ドールにして初もこである、もこタン(ようちえんもこちゃん)がやってきたことを記念した我が家の最大のイベント!
早いもので、今年で5年目になりますですよ♪

10102201で、去年同様に今年もキャラデコスペシャルデーでお祝いです☆
まずは、もこタン&この一年でやって来た、るみタン・のいみタン、ちこタン・にぃなタンを加えた5人での、キャラデコを囲んでの一枚♪

今年はバンダイプレミアムでオーダーしてみましたヨ。
というのも、バンダイプレミアムだと限定の「とびだす」ポップアップ・メッセージカードが付いてくる、いわばデラックス版(通常版に500円上乗せ)がある上に、リアル店舗オーダーでは選べないチョコケーキver.もあったからダターリ。

10102202_5これが、限定のメッセージカード。
ちーたんが、もこタンたちに見せてくれておりますヨ。
ブロッサムたちが、飛び出してきてもこタンたちはビックリ&大喜びヽ(´ー`)ノ

もこタン「すごーい! これ、すりーでぃっていうんだよね!」
いやいや、違います(^^;;
10102205_16こちらが、メッセージカードの表紙&裏表紙。
見ての通り、キャラデコ自体のパッケージはブロッサムとマリンだけですが、メッセージカードは4人勢揃いしたものだったりしてます。
確か、夏頃まではメッセージカード付きのものはなかったはずなので、メンバー追加に合わせたものではないかと思います。
その辺りは細かい配慮を感じられて、自分のようなオオトモファンはもちろん、小さい子達も大満足なんじゃないでしょうか??

余談ですが、チョコケーキは予想外にビターでフツーにおいしかったです。
正直、ケーキとしてのキャラデコはイマイチという印象だったんですが、これはアリだと思いますヨ。

そして今年のもこタン記念日の目玉アイテムが、プリキュア・キャラレターPa2256670
こんな感じで、プリキュアからのお祝い文の書かれた(署名はないですけど、文面の雰囲気からすると書いたのはブロッサムのようですw)レターとシール、それとサイン入りのカードが3枚が同封されております。

もこタンは、まだ小さいので全文ひらがなにしてもらいました☆
ちなみに、漢字かな混じりでもオーダーできます。
10102204

ちーたん「もこタン、お誕生日おめでとう! いつも私たちプリキュアを応援してくれている、もこタンのお誕生日をお祝いしたくって、お手紙を書いちゃいました。・・・」
ちーたんに、大好きなプリキュアからのお手紙を読んでもらって、もこタンは大感激でした♡

そして次の三枚が、キャラレターに同封されてくるサイン入りのシーンカード。
10102208もこタンが持っているのは、二人揃ったカードです。
初期のキービジュアルが使われております。
キャラレターのサイトでは、このシーンカードの絵柄は明らかにされておらず、色々とバージョンがあるものと思われますが、おそらくこれは共通で同封されてくるのではと思われます。

10102207ちこタンが持っているのは、ブロッサムのカードです。
サインに加えて、カードらしく(笑)一言情報が入っているのがミソ。

10102206にぃなタンには、マリンのカードを手にしてもらいました。
よりにもよって、プリファンに有名な画像掲示板でよくネタに使われる、えりかのカットでしたwww
マリンとブロッサムのカードは、今回ともに変身前のシーンのものでしたが、意図的に統一されているのか、たまたまそうだったのかは判りませんです。

でも、個人的にはどちらかが変身前で片方は変身後、というよりもイイと思います。
なので同封する際、そこを考えてチョイスしくれているのでは?と、好意的に解釈してみたりヽ(´ー`)ノ

てなカンジで♪ プリファンの方、キャラレターはマジでオススメですよ!

えー、今回のもこタンたちのおめかしコーデのお写真については、また明日辺りに・・・(^^;;

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2010年10月20日 (水)

エキサイトレビューで今月のアニメージュの松本監督のインタビューのことがちょっとだけ触れられてたデス。

「映画「ハートキャッチプリキュア!」公開直前、雑誌も新聞もプリキュアだらけ…ですか!?(エキサイトレビュー) 」で、今月のアニメージュの松本理恵さんのインタビューのことがちょっとだけ触れられたデス。
そこで、モン・サン=ミシェルについてのくだりを「おもしろい」と評してもらっております。

実は、この箇所は取材時は松本さんがモン・サン=ミシェルの単語を出しただけでシリキレになってしまっていた話題でした。

取材は1時間近く行っていたので、内容的にもネーム量的なことからも、それ以上無理に拾わなくても良かったのですが、テープ起こししていて個人的に非常に気になってしまったわけです(笑)。
だったので、取材後に改めて松本理恵さんにお尋ねしたら、丁寧かつ詳細にお返事をいただいた(自分としては曰く付きのw)ものを活かしてもらった部分だったりします──松本さんはモン・サン=ミシェルがナゼ岩山に建立されたのか?みたいな部分にも想像を膨らませて、言及されておりました。

こうした経緯もあったので、編集さんにはそこは出来るだけ活かして欲しいともお伝えしたわけですが、こう評して頂けると、ちょっとムリムリながらも改めて伺っておいて良かったと感じますね〜。

また、この「ミカエルが初代プリキュア」という考え方が、その後に出ている「性別を超越した善を為す存在」という松本さんのプリキュア観(取材では松本さんは、「ノブレス・オブリージュ」と喩えていましたが)にも繋がっている部分もあるように思う次第。

てなカンジで♪ 劇場版ハトプリを見に行く際には、wikiで良いのでwwモン・サン=ミシェル修道院、建立の由来(400年前の再建に非ず!)を調べておくとちょっとニヤリと出来るかと思います。

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2010年9月29日 (水)

来月10日発売のアニメージュに、劇場版『ハートキャッチプリキュア!』の松本理恵監督のインタビューが掲載されますよ♪[ツイッター加筆版]

てなカンジで♪ 『プリキュア』ファンならば、おそらく知らない人はいないと思われる、若手女性演出家の松本理恵さん。
そのインタビューが来月の「アニメージュ」誌の劇場版『ハトプリ』ページに、掲載されますデス。
・・・多分史上初(笑)のインタビューですヨヽ(´ー`)ノ

一応、諸々書いておくと・・・『プリキュア5GoGo!』第23話「シロップが裏切った!?」第36話「ファイブDEチャンス(前編)」『フレッシュプリキュア!』第12話「みんなで変身! フサフサ大作戦!!」第39話「ケンカは禁止?沖縄修学旅行!!」など、ポップ&シュールなギャグと、繊細かつグッとくる情感たっぷりの芝居、そしてキビキビしたカッコいいアクションと、毎回プリファンを呻らせ続けてきた演出さんデス!

個人的には、『スプラッシュスター』で演出助手をされていた時からチェックしておりまして、夏場のエピソード──特に第28話「旅だ! 電車だ! 大冒険!」(演出は山吉康夫さん)が決定的だった記憶がありますね〜。
演出助手なので、具体的にこうだとは言えないわけなんですが、この『スプラッシュスター』の夏場のエピソード辺りから、咲と舞の芝居の雰囲気にナチュラルで瑞々しい匂いが、どことなく際立つようになってきまして・・・キラキラしたエフェクトセルが一枚加わったような──俗っぽく言えば“百合具合”が増した感じw・・・。
その匂いをひときわ感じる時が、演出さんは違っても、大抵演出助手は松本理恵さんであることが多かったんですね。
(・・・ご本人は、まったく意識してなかったそうですけど(苦笑))

なので、常々興味を抱いていた演出さんにお話が聞けると言うことで、自分は(無理言って(苦笑))同行させてもらった次第。
もっとも、自分の作業としては素起こししただけなので、どんな風にまとまっているのかは分からないんですけど、おそらく、このアニメージュのインタビューを読んでから映画を観れば、より愉しめるのではないかと思います。

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2010年8月19日 (木)

今年の夏コミ一番の収穫!馬越嘉彦原画集のレビュー:個人的に「オオ!」と思ったのは、『ハトプリ』23話、病室で恐怖に苛まれるさつきのL/O修正でしたよ。

コミケカタログ発売時期前後に、ネット上でチラリと見かけて知ったコミケ初日での馬越さんの原画集発売。
自分も初日がサークル参加で、しかもサークルチェックしてみれば、馬越さんの原画集のサークルさんと極めて近い!
これは、日頃の行いの良さの賜物?(笑)
Uma00
てなカンジで♪ 珍しく企業ブース直行ではなくて朝イチに馬越さんの原画集を買いに並んだわけですが、正直ここまで『ハートキャッチ』が多いとは思いませんでした〜。
内容についてはサークルカットには示されておらず、時期的なことから『キャシャーンSins』6〜7割、『ハトプリ』は2〜3割くらいかしらん?とか思っておったわけです。ま、『キャシャーンSins』も好きだったので、それでも全然ノープロだったんですが。

まずこれ用に描き下ろされた12p.分のカラー口絵全部が、『ハトプリ』関係なワケでして、さらに馬越さんの色に対する考え方も伺えて、そこも興味深い貴重なイラストとなっていて、いきなりハートをキャッチされまくり(>▽<)

Uma02原画も、『ハトプリ』パートの扉は読売新聞用の版権のラフ原画だったり、3度目の作監担当回である23話(=キュアサンシャイン初登場回)も掲載されていて、そのタイムリー具合に仰天ですよ!ヽ(´ー`)ノ
・・・まぁ原画作業はオンエアの1〜2ヶ月くらい前には終わってるはずなので、極端なタイトスケジュールではないと思いますけどw

つか、そもそも表紙が実は口絵のブロッサムとマリンのシルエットということで(でも、そのことは家に帰ってきてから気がついたww)、そこからしても『ハトプリ』メインの編集を主張しているわけですよ。

Hcpc2301その『ハトプリ』パートで一番感銘を受けたのが、実はブロッサムやマリン、サンシャインではなくて(笑)、23話の病室で不安感からわき上がってくる恐怖に苛まれる、さつきと、そこに不気味に現われるサソリーナのL/O修正。Hcpc2302
23話の演出は、5期『鬼太郎』で1・2を争うガチなホラー演出を見せつけていた畑野森生さん(陰魔羅鬼やくびれ鬼の話を担当)でして、病室の中を、広角アングルで逆に狭苦しい閉塞した陰鬱な印象で見せた上に、さつきに激烈に虚ろな表情を付けることで、彼の不安定な心理状態を描いている、23話の中でも屈指の名場面なのですよ。
この辺の、心に内在した不安感から絶望的になるといった表情芝居の付け方は、『鬼太郎』62話(くびれ鬼の回)でもみせておりました。

Uma01オンエアを見たときは、そういった流れから非常に畑野さんのカラーが強く出たシーンでもあるなぁと感じていたのですが、馬越さんのL/Oを見て、あのジリジリと迫る恐怖感は、畑野色+馬越さんの鬼気迫る表情作画との相乗効果によるものだったのだと判った次第。

虚ろでありながら、カッと眼を見開いた表情芝居の見事さには、言葉も出ませんヨ!!!!

こういう時、よく「画力」という言葉が使われますが、これは「画力」を超えたまさに「演技力」に他なりません。
アニメーターは絵描きではなく役者であるというのが持論でして(これは、何人かお話をしたことのあるアニメーターさんや演出家さんも同じような意見です)、まさに馬越さんが名優であることの証と言えるカットでしょう。

Hcpc2300またプリキュアに初めて変身したいつきが、「キュアサンシャイン」と自ら命名するカットの原画も掲載されていて、そこでの軽く思案する表情の、気持ちすました抜群な表情の原画も見ることが出来て、そこもヨカヨカ♪

Uma03この23話のサンシャインの初バトルは、彼女の台詞に併せてさつきの心象を象徴するような戦闘空的な暗雲が綺麗に晴れて(ここで柔らかい笑顔で空を見上げるサンシャインの芝居が、とてつもなくイイ!・・・ここの原画も収録されてました☆)Hcpc2303晴天の青空に切り替わる見事な演出になっていて、そこから圧倒的な戦闘力でデザトリアンに立ち向かうサンシャインの高いカタルシスも見事だったですね〜。

話を原画集に戻しまして(笑)、意外と『どれみ』(しかも「カエル石」!)にもページが割かれていて、本編の原画や版権関係のラフ画も多く掲載されていたのも良かったですよ。

・・・ただ『キャシャーン』は逆に予想していたよりもページ数が少なくて、掲載原画もOP関係のみに終始していたのが、ちょっと残念だった佳奈?と、贅沢なことを言ってみたりして(^^;;

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2010年8月12日 (木)

「ハートキャッチプリキュア!設定資料集」買ってきたよ。ここまで前半に割り切った構成だと、もう一冊出す予定だと見ましたが・・・果たして?

本日は、ムービックの「ハートキャッチプリキュア!設定資料集」の発売日。
去年の「フレプリ設定資料集」は近所のアニメイトには入荷しやがらなくて、結局池袋本店まで探しに出るというマヌケな展開になったのを反省して、今回はちゃんと予約を入れたいたので、のんびり引き取ってきましたよヽ(´ー`)ノ

さてさて、今月のアニメージュの設定資料館も、ご存じの通り『ハトプリ』が取り上げられていて、奇しくも『プリ5』の時と同じような、ガチンコ内容対決!みたいな具合に(苦笑)。

『プリ5』の時は、構成的にも内容的にも(ラフ設まで載っていたので)アニメージュ圧勝!みたいなノリだったわけですが、今回に関して言えば、引き分けなんじゃないでしょうか?

アニメージュは6ページという限られた誌面に出来うる限り押し込める、というコンセプトなので、ブロッサム、マリンとも表情集が1枚ずつカットされていたりもします。
もちろん、設定資料集は例によって決定稿日付印(実は史料的には、これが重要!)もまるまる掲載のノートリ版☆

逆に、各話のゲストコスは多少アニメージュの方が多めに載っていたりとかで、2クール目までに関しては、まぁ一長一短かと思います。
余談ながら、劇場版のゲストコスでのファッションのアイテム名称がツッコミどころ満載なのは、ご愛敬?www

ただ、即時性という意味合いからも今とてもニーズの大きいサンシャインやムーンライトについては、「設定資料集」は潔くオミットしているわけですね。
その点で、「アニメージュまたまた大勝利!」みたいな印象もあるわけですが、そう結論づけるのはちょっと待て!と、思うわけです。

ムービックの商品案内には

キュアブロッサムとキュアマリンがメインの設定資料集です!
と書かれているので、最初からサンシャインやムーンライトについては掲載する予定がなかったのではないでしょうか?
・・・つまり、3クール目以降のキャラ表中心に構成した第2弾が用意されているのでは?と。
新EDのラストに出てくる新フォームなど、アニメージュも掲載していないキャラ表もあるわけですからネ。
とか言いつつ、でず仕舞いになる恐れもありますから(爆)、ここは両方ゲットするのが賢明かと思いますよヽ(´ー`)ノ

リンク: ムービック - アニメ、ゲーム、キャラクターの総合エンターテイメント企業商品詳細-*-ハートキャッチプリキュア! 設定資料集

ところで、アニメージュと設定資料集に掲載されていたキャラ表を見ていて、アニメージュの方にあった26話のえりかのゲスト設(どうやら各話作監さんデザイン)では、キャラ表で既にえりかの髪型がいつもと違えてあったので、コンテ段階か少なくともゲストキャラ表発注の段階から髪型を変えることが想定されていたことが読み取れました。

またココロパフュームですが、アニメージュで「パヒューム」と表記されていて「??」と思ったのですが、キャラ表で「パヒューム」と明記されているからだったんですね。
玩具の方が、普通は正式な表記になると思うんですけど、どーなんでしょう??

もう一つ、興味深かったのが設定資料集にのみ掲載されていた美術設定。
『ハトプリ』の美術は増田竜太郎氏が担当されているわけですが、本編の背景からの印象以上に、線画設定状態はデザイン的といいますか、イイ意味で省略されたものとなっていて、着彩によってマテリアル感や密度感といったものを作りだしているようです。

去年、梅澤Pに取材した際、『プレプリ』の背景も「もっと省略化したデザインにしてしまっても良いんじゃないかと思っている」といった旨の発言をされていたので、線画としてはそこを一歩推し進めている感じもありますね。

増田竜太郎氏は、『マリガリ』の美術も担当されているわけですが、ガリハバラのかなりマンガチックなラインは、作品的な部分もさることながら、『ハトプリ』の美設を見て、増田氏自身の持ち味もあるようにも感じましたヨ。

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2010年8月 8日 (日)

「東映デジタルセンターOPEN記念セミナー」2日目の『プリキュアオールスターDX2』EDダンスムービーメイキング講演、超絶詳細レポその3(最後もやっぱり画像はないデス。ゴメンチャイ)

ああ、こんなつもりではなかったんですけど(苦笑)、結局3回わけになってしまいました>「東映デジタルセンターOPEN記念セミナー」2日目のレポ。
まぁ、ぶっちゃけ個人ブログですから自己満足で良いんですけどね(爆)。

さてさて、宮原さんのモデリングとアニメート作業関連の説明が終わったとコトで、今回のコンポジット(合成処理:アニメの作業工程だと撮影・特効に相当)に関して、中沢氏が解説してくれました。

各キャラクターモデルに対してのレイヤーとマスクは、カラー(着彩レイヤー)ライン(トレス線)シェードマスク(影レイヤー)ライトマスク(ハイライト関係のレイヤー)の4種類。
これに、お肌ピチピチレイヤー(化粧系レイヤー)を加えた都合5種類から構成されてます。
見ての通り、ダンスCGのキャラクターモデルは(フレプリEDに関しての梅澤Pの言葉を借りれば「敢えてCGぽくするために」)通常のトゥーンシェード(いわゆるアニメ絵塗りの陰影)ではなくグラデ処理がかけられていることが特徴となっています。
スクリーンでは各レイヤーやマスクごとの素材画像も示され、ちょっとCG塗りハウツー本的な雰囲気も漂ったり(笑)。

ただサンプルで表示されたブロッサムのシェードマスクを見て驚いたのが、服や髪の毛に対してだけマスクが作られていて、肌部分にはマスク(影指定)が無かった点です。
つまり肌に落ちている影に関しては照明効果を使ったライティングの影によるものということで、おそらく基本状態でも影を入れると乗算効果で汚く見えてしまうための配慮ではないかと思われます。
また、アニメ顔の造作に対して正しく影を落とすと、頬の下半分すべてに影が出来てしまう(『きらレボ』3rd.Stage初期のキャラモデルような不自然な陰影が出来てしまう)ので、それを避けるためにも、特に顔周りのシェードマスクはナシにしているのではないでしょうか。
この辺の工夫も、キャラを可愛く見せる拘りの技のように感じました。

そしてコンポジット作業の説明がなされたのですが、「現実のライブコンサート映像を参考にリアルな映像をめずと言うことで、実際の照明オペレーション同様に(光源の)色・強さを柔軟にコントロール出来るシステムを構築」[中沢]したそうです。

コンポジットソフトは先ほども書きましたがAfterEffectが使われおり、今回は現実のライブコンサートさながらの舞台効果を加えることの出来るプラグインを開発したわけなのデス。
スクリーンで示されたさまざまな効果サンプルでは、ステージバックの「Pretty Cure」のネオンサインだけ発光させたり、任意の場所に自由な色彩と光量のカクテルスポットやピンスポットを照らしたり、フォグ効果やグロー効果を加えたりと言った、さまざまなパターンが示されました。
また、客席位置やステージ位置に仮想のライトポイントが配置されており、操作はそのポイントに対して行うという形になっているようです。

まさに舞台演出を実現させるものなのです。
マジですごいプラグインですよ!

こうしてコンポジットされた素材を最終的にレンダリング(書き出し)してムービー素材とするわけなのですが、その効率を上げるため「プロジェクターレンダーツール」というソフトも構築。
膨大なデータを必要なシーンごとにレンダー(レンダリング用コンピュータ)へ、的確かつ能率的に送出することが出来るそうです。このツールにより、レンダリングのための準備作業が大幅に軽減されたと言われていました。

なお、当然利用されたレンダーはネットワーク型の分散レンダーとなっています。レンダリングの使用ハードはWindows機(64bitと32bit混在。ただしデータ処理的に64bit機が大きく貢献したとのこと)4コア×30機、合計120コア!
フル稼動はしなかったそうですが、このマシンスペックで約4日間で今回のEDムービーのレンダリングが可能だとか!ビバ、マシンパワー!(笑)
……この辺りは、以前山内重保さんから伺った、映画『も〜っと!どれみ』での大気流を飛行するシーンでの背景CGを組み上げるのに、社内だけではまかなえず海外のサーバまでフル動員しての大作業だったという話とは、隔世の差がありますヨ。

また今村Pの発言からすると、特典版、劇場公開版、CD特典版の3バージョンは、それぞれ別個にレンダリングされて作られたもののようです。加えて、場面カット的に出たスチール素材(劇場公開時に販売されたポストカードセットに使用された素材と思われます)も、どうやらいわゆる切りだしカットではなく、そのために作成したものだったらしいです。

一通りメイキング解説が終わった後に、MCの方から特に大変だったことについての質問がありました。
これに対して、3人とも「パンチラ対策」を挙げました(笑)。
大塚さんからの意見で、変に見せないようにということがあったのですが、基本的に3-D CGは嘘がつけないのでアングル的にはどうしてもごまかせないカットが出てしまうわけです。またステージを綺麗に見せるため床面なども光沢感を高くしているため、映り込みもそうした対象になってしまったとか。
そこに対して、1フレームごとにやばそうなところを潰していったとのことで、実質的にアニメーションチェックが1プロセス入ってしまったことが大変だったと言われていました。
「探そうと思っても多分(パンチラは)絶対見つからないと思いますので、探さないで下さい(笑)」[宮原]

こうして制作プロセスを展望したときに思ったのが、このダンスEDは「ドミノ倒し」のようだと言うことでした。
緻密なポストプロダクション作業は、まるでドミノを丹念に並べるかのようであり、そして軽快なダンスシーンの間を派手なギミックアクションの見せ場でつないでゆく爽快な構成は、スピード感あるドミノラインとその合間に設けられたイベントギミックの関係にも似た構造と演出を思わせます。
それが、プリキュアという作品やキャラクターの思い入れと相まって、深い感銘を与えるのではないでしょうか。

最後にTAFやおもちゃショーでデモしていた立体視コンバートされたダンスEDムービーまで、このシアターの大画面で上映され、講演は終了となりました。……この立体視コンバート版の大画面上映は、現状では今回限りみたいなコトでしたので、これもラッキーでしたよ♪
この立体視コンバートって、どうやってやるのか疑問だったんですが、2-D・3-Dコンバータ・ハードウエアがあるんですね。
それも知ることが出来て、勉強になりました。

てなカンジで♪
充実した60分。これだけの内容で無料は、本当に超お得でした!
撮影所内の見学も、計ったように(?)『ゴセイジャー』関連のステージが中心で、そこもホクホク♪(ここは本題ではないので、割愛しますケド)。

ところで、セミナー後に宮原さんとちょっとお話をしたのですが──自分のことを覚えていて下さったことも嬉しかったり──、ダンスEDのルーツ的な話題の流れから『スプラッシュスター』のガンバランスの演出はどうやら長峯さんだったと判ったり、また『やえもん』でのキャラクターボードという役職は、貝澤幸男さんが描いたキャラデザインのラフ画を3-D用に整える作業だったとも伺い、色々とギモンも解けて(笑)そこも個人的には嬉しいところだったデス☆

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