2010年8月24日 (火)

『仮面ライダーW』の劇場版「AtoZ 運命のガイアメモリ」。48話のラストにロストドライバーが出てきたのを見て、直感的に「劇場版を見なくてはダメだ!」と思い、見てきました☆

ようやく(と言って良いでしょう)『仮面ライダーW』の劇場版「AtoZ 運命のガイアメモリ」を見てきました。

今週放映の48話。加頭がNEVERであるという設定に加えて、さらにラストにロストドライバーが出てきたのを見て、直感的に「劇場版を見なくてはダメだ!」と思い、言ってきた次第(笑)。

平成ライダーの映画は全部観にいっているわけではないんですけど、これは屈指の傑作ですよ!

シリーズのお話とも適度にリンクしているし、番外編としてのまとまりもきちんとしている・・・この辺は、TV本編のエピソードが常に2話一対読み切りの章立てとされていたコトも、功を奏している気がしました。
呎としては約4話分の内容ですから、『W』としては映画らしいボリューム感(作劇的な風呂敷の広げ方や、アクション的な見せ場の作り方など)を+αするのにちょうどイイカンジでもあった気がしますデス。
テーマとしては、三条陸氏にしては珍しく(?)母と子の絆とか、フィリップの母に対する想いが軸となっていて、これがなかなかグッとくるドラマチックなポイントになっているのですよ!・・・特に、童謡「あめふり」をモチーフにしていると思われる、子供とお母さんのやりとりをみて、フィリップが母親の存在に想いを馳せ、それがマリアへと惹かれてゆくきっかけになる流れがイイ!

平成ライダーでは使い古されていると言っても過言ではない、「悪のライダーとの対決」シチュエーションも、『W』ではなかったので、そこも劇場版らしいスペシャル感にも繋がっています。
同時に、OPタイトルの風都の夜景をバックにマントを翻すエターナルという、TV本編OPのド頭シークエンスに被せたカットにもニヤリ。
エターナルが白ボディなのは、当然ジョーカーとの対決を見越してのカラーリングですよね☆

敵対するNEVERのメンバーが使用するT2メモリが、ジョーカー以外(!)いずれもWが所持している6本のメモリのT2バージョンで、翔太郎たちがWと同じ能力と対峙する、王道を行く展開もさることながら、TV本編を見ていて根本的に気になる、Wの持つメモリ(と同等)を使ったドーパント形態も拝めると言った、一粒で二度美味しい展開もグー♪

作劇としては、冒頭の事務所内の雨漏りシーンがT2ジョーカーメモリ発見の伏線として成立している辺りもナイス!

で、もうアバンのT2メモリを大道克己らがヘリから強奪するシーンからして、“いつもの”東映特撮のテイストとは違う映像に仕上がっていて、驚嘆!
ここで披露されたアクションでの、全体的に画ブレしているカメラワークや局所のドアップを細かく抜いてフルコンタクト感をアピールするハイテンポのカッティングは、全編に渡って貫かれており、アメリカ帰りのスタントマン(笑)坂本浩一監督が体感的にもっている、アクションのスピード感と、『ブレイド』以降、平成ライダーのカメラワークを一変させた倉田幸治カメラマンの最大の特徴といえるアグレッシブさのコラボだからこそ実現できた映像だったと思います。
また、吊りを使った激しいアクションも東映特撮のお家芸の一つ、操演殺陣ではなくて、ハリウッド的ないわゆるワイヤーアクションになっていたのも特徴的でした(これは、『ゴセイジャー』が操演殺陣となっていたので、その差も見えて面白かったデスよ)。

こうした息もつかせぬハードアクションの中、6本のメモリを駆使して、矢継ぎ早にフォームチェンジしてマスカレードやNEVERの面々とバトルしまくるWの活躍が、もうメチャメチャ格好良すぎ〜〜〜!
しかも、エッジの立った(しかもワイヤーアクションも利用した)バイクアクションも絡めているので、その迫力は天下一品。

ただ大画面でのアップと激しいPANの連続によるインパクトは絶大だったものの、逆に退きのアングルが少なくて、映画の大きなスクリーンを活かして広大さを見せる演出がなかったのが、食い足りないと言えば食い足りなかったカモ?(苦笑)

細かい部分ですが、翔太郎がジョーカーに変身してNEVERのメンバーと戦うお馴染みのさいたまスーパーアリーナでのバトルでは、いつものように2DのCGIでヒビやら破砕エフェクトやらを“描き加える”のではなく、コンクリート粉を意識させる粉塵を仕込んだ柱を何本も作って、パンチ等のミスショットやダメージを受けて叩きつけられる際には、その柱プロップを破壊してゆくことでの物理的な激突感と、黒いボディのジョーカーの頭や肩が白い粉塵まみれになっている画作りがゲキレツにリアル!

『ライダー』へのリスペクトでもある、ジョーカーのライダーキックやライダーパンチにもグッときましたよ〜♥

クライマックスで、被る主題歌にあわせて反撃に出るエクストリームでの、「風が俺たちに力を与えてくれる」と、元祖『仮面ライダー』原作版のオマージュに痺れると同時に、街の名前が「風都」である意味も納得!・・・48話で「若菜姫」のニックネームに、それ以上の(そして文字通りの)意味づけがされていて「お!」と感激したのですが、同じセンスにも関わらず、こちらもやられた!!!(笑)
これは、ジョーカーメモリについてのダブルミーニングにもいえることダターリヽ(´ー`)ノ

それから、クライマックスでのサイクロンジョーカーへの変身でフィリップが翔太郎の肩に手をかけて失神する、二人の絆や信頼を強く感じさせる演技がこれまた熱い!

ところで、翔太郎がスカルから手渡されたロストドライバーで、単身フィリップ救出に向かうシーンが、直感的に48話のおやっさんのハットを手にして若菜姫救出に出て行くシーンと被せてあると感じたのだけど、改めて48話を見たら、話の流れ自体も被せてあるジャン!!

おやっさんのハットが、ここではロストドライバーと等価という意味づけであり、ちょっと「超演出かも?」と初見では感じた、ユートピアドーパントを気迫で追い詰める生身の翔太郎というシーンに対しての、実は説得力としても機能するように、おそらく考えられているのだと思いましたよ。

劇場版を見た後に改めて48話を見ると、予想以上に新たな感動が味わえますデス。

で、敢えてというかわざと(笑)不満点を探し出して挙げるとすれば(爆)、特撮予算のほとんどをおそらくVFXに投入していて、視覚的にダイナミックなハッタリ(例えば、『ディケイド完結編』での、ディケイドを狙ってビルを拳で破壊するJ、みたいな)大仰な特撮シークエンスがほとんどなかった点でしょうか?
この点に関しては『ゴセイジャー』の、おそらくロケ場所から逆算して、ある程度その周辺を再現したと思われるビル街セットでの巨大ロボ戦の方が、ダイナミックさ満点だったように感じました。

なので、風都タワー崩壊が、個人的にはもう少しスペクタクルな──デザスター感の強いビジュアルだと嬉しかった佳奈?と(^^;;
まぁ、エクストリーム対エターナルのシーンはほぼ全カット合成(バストショットでも、CGで作られたタワーの基部が見切れてるのですから)みたいなトンでもないコトになっていたわけで、それだけでスゴイと言えばスゴイのですが、でもそれってCGカットの成り立ちとかを判っていないと・・・みたいな(苦笑)。

なんて、本当に重箱の隅をつついてみましたww──本当に些細なことに思えてしまうくらい、よく練られたストーリーであったと言うことで御座います。

ああ、予想を上回って超絶長文になってしまった〜(^^;;

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2010年6月13日 (日)

小林桂樹版『仕掛人・藤枝梅安』を見て『さらい屋五葉』を思う也

CSで小林桂樹版『仕掛人・藤枝梅安』を見たデス。
このシリーズ、随分前から知ってはいたのですが、実はちゃんと通してみたのは、これが初めて!
で、梅安のルックス的なイメージはさておき、作劇的な雰囲気はやっぱりこれが一番原作に近い気がするデスヨ。

それにつけても小林桂樹というキャスティングは、良くも悪くも『必殺仕掛人』での緒形拳の持つ渋いイメージを受けてのことだという気がするナァ。その固定観念を刷新した渡辺健の梅安だけど、逆に言えば『必殺仕掛人』当時の緒形拳が持っていた、静的な中にあるワイルドな面を強烈に引き継いでいる気もするデス。

こうして小林桂樹版『梅安』を見ていると、『さらい屋五葉』が目指している世界は、“グルメネタ抜きのw池波版『梅安』”なのかも?とか思ったりヽ(´ー`)ノ
間の取り方自体もそうだし、キャラクター的にも、マサが裏稼業に対して小杉十五郎とは真逆の態度を取りつつ(それさえ、恣意的に見えてしまったりww)でも次第に“仲間意識”が芽生えて連んでゆく様とか、もうね。

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2009年11月19日 (木)

水曜どうでしょう放送事典

「水曜どうでしょう放送事典」を、紀伊國屋書店で見かけたので購入〜☆

その名の通り、「水どう」のエピソードガイド・ムック(欧米で言うところのコンパニオン本)です。
レギュラーシリーズの「サイコロ1」〜「ジャングル探険」までを網羅したもので、内容的な部分だけで言ってしまえば、「QJ」での大特集を増補したようなもの。
ただ、版元がHTBというだけあって、収録されているマテリアルやアーカイブは、半端ナイです!ヽ(´ー`)ノ
サイコロの旅やサイコロ韓国での、各選択ポイントでのフリップ(選択肢)一覧が出ていたり、「カルトクイズ大会」での問題用紙が掲載されていたりと、口絵グラビアにはカントリーサインカードがズラリ一覧できたりと、気合いの入った編集がなされています。

エピソードガイドは、企画の概要と見せ場を要約しているだけではなく、各放映回ごとにページを割いて、ミスターや大泉さんの「名言」「迷言」もフォローされておりますよ。
インタビューもかなり長尺なものなので、その読み応えもあります。

「水どう」好きならば、持っておいて損のない一冊かと・・・
&自分もこうした“濃い”内容の本やDVDのブックレットを作れるように頑張ろうと思いましたよヽ(´ー`)ノ

リンク: 南平岸ユメミル工房.

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2009年10月12日 (月)

『やえもん』観てきました(超絶長文)

貝澤ファンとしては、見逃すわけにはいかない「とびだす!3D東映アニメまつり」。
本日、観てまいりました。
朝一番の回を観たのですが・・・

お客は、自分一人!(o△o)|||
・・・これじゃ確かに、公開2週目で上映回数が半分になっちゃうわけだ(泣)
それなりに大きいスクリーンでやってるのも、単に3D上映システムというインフラ的な理由で、映画館としてはおそらく、一番小さいスクリーンに移したいのではないか? とかアレげなことを思ってしまったり(^^;;

実験的な要素もあるとは言え、東映アニメ的には結構、鳴り物入りで仕掛けた感もある「アニメまつり」だと思うのですが、下手したら次は当分無いカモ??((((;゜Д゜)))

と、まぁ切ないお話はこれくらいにしまして、メインディッシュの『やえもん』のインプレをば・・・

今回の『やえもん』は、原作とも74年に東映まんがまつりで上映された『D51の大冒険』とも違う、文字通り新解釈と言っても過言ではないアレンジが施された、実質オリジナルのストーリーです。

東京駅の片隅に留置されている古ぼけたSLのやえもん。もはや動くこともできず、その機関庫を住処にするねずみの兄妹・マウとスーと彼らのなかまたちに、自分の昔話を聞かせる日々を過ごしていた。また、ねずみたちは天敵の悪辣なメス猫・サマに襲われたときの逃げ場所としてもやえもんを頼りにしており、慕ってもいた。そんな時、やえもんがついにスクラップにされるという話を聞いたマウやスーたちは、なんとかもう一度やえもんを走らせてあげようと考える。その話はサマの耳にも入り、やえもんを目の上のたんこぶと憎む彼女は、やはりやえもんを毛嫌いしているディーゼル機関車のディムをけしかけて、予定より先にやえもんをスクラップにしてしまおうとする。果たして、やえもんはもう一度走ることができるのか?

やえもんと同様に活躍するのがマウとスー兄妹ら、ねずみたちなのですが、ぬいぐるみ風のモデリングに日本のアニメならではの擬人化した演技に基づくアニメートなので、ピクサーに代表される外国CGアニメのような、人間のリアルな動作や表情をコンバートしたかのようなくどさはまったくありません。
また、原作の挿絵に登場する車両が、実在する列車をモチーフにしていると言われているのに合わせてか、本作に登場する電車たちもクレーン車両以外は、現用の車両をモデルにしており、多少とも鉄分のある人ならば、すぐに元デザインが分かるものとなっています。
やえもんをはじめとした車両たちの“人間的”な表情や芝居についても、ギニョールっぽさは極力排した、ある意味で2-D的な動作となっているのも特徴です。

クレジットでは「キャラクターボード、宮原直樹」となっているので、おそらくキャラデザインは宮原氏が担当しているのではないかと思われます・・・実は『ファンファンファーマシィー』繋がりのコンビだったってコトですねヽ(´ー`)ノ

(ここからは、ネタバレ注意!)
さて、原作にせよ、それを大幅にアレンジした『D51の大冒険』にせよ、やえもんは現役を引退し、博物館で余生を過ごすというラストは同じなわけです。
原作が書かれた時期は、電化と複線化が鉄道の近代化として大いに叫ばれていた時代であり、それを反映して、またそうしたSL全廃間際に作られた『D51の大冒険』はある種の挽歌としてのテーマも込めて、スクラップを免れたやえもんには引退&博物館行きのラストを迎えます。

ところが、今回の『やえもん』のラストはスクラップを免れるだけでなく、マウやスーたちと一緒に宛てのない気ままな旅に出る“自由への逃亡”という形で幕を閉じます。

ラスト改変の是非はともかく(個人的にはこの改変は、大変気に入っているのですが)、これは原作当時と現代のシニア世代のライフスタイルのあり方の違いをそのまま反映しているような気がします。

それは、やえもんに与えられているパーソナリティにも大きく影響しています。
特に原作でのやえもんは、根は悪い人ではないものの、短気で妙に自尊心だけは高い偏屈な老人というニュアンスで描かれているのですが、今回のやえもんは、自尊心は高く現役復帰の自信は口にするけれども、自分の状態(動態保存されていない)はわきまえており、周囲からバカにされても強く言い返せない気弱さが目立つ老人となっています。

そんな老人が、慕ってくれる仲のよい子供たちに後押しされて、勇気やパワーをもらって第二の人生を踏み出すという話になっている次第。

発想としては、博物館で余生を過ごすことが本当に幸せなのか? という逆説的なところから来ているような気がします。・・・博物館は所詮、かごの鳥であり見せ物小屋ですから、そこに尊厳はないだろうというロジックが働いているのでは? と。

今回の『やえもん』では、燃料確保がストーリー中盤〜後半の柱になっているので、人によってはラストの持っていき方(燃料が尽きれば終わりにも関わらず、当てなく走り去るラスト)に疑問を呈している方もいるようですが、仮にそうなったとしても、それは尊厳死を選んだということだと、自分は思うわけです。

また解釈の仕方として、そうなる前にマウやスーたちが石炭集めに奔走するであろうことも、想像に難くないですし。
この辺は、奇しくも今回の『やえもん』が『走れ!ケー100』の1話と結果的に似たような筋書きになっていることもあって、自分としては何かと旅先でケー100の燃料を腐心する主人公の青年・モン太さんと、石炭確保に奔走するマウやスーたちが、どこかオーバーラップする部分があるからかも知れません。

いずれにせよ、今回の『やえもん』のラストは非常に現代的で、清々しい思いのするものがありました。

と、テーマ的には満点を挙げたい『やえもん』なのですが、作劇面としては前半に少々パンチが足りない感じは否めません。
・・・同時上映の他のプログラムがすべてアトラクション用ムービーとして作られた、早い話が「スターツアーズ」ものなので、基本的に最初から最後までハイテンションな映像であるというだけでなく、それら3本の上映後に『やえもん』がトリを務める構成になっている点が、逆にハンデになってしまっている感じも、ちょっとありますが・・・。

なんというか、予告で観たときの印象に比べて、どことなく探り探り演出している雰囲気が漂っているのですね〜。
貝澤さんらしいレイアウトやカメラワークなどは随所にあるのですが、案外と「2-Dでやっている演出がどこまで3-Dにして効果が得られるのか?」みたいな、“迷い”というほどではないのですが、いわゆる「キレがない」感じも、したりしなかったり(苦笑)。

前半のねずみたちとやえもん、天敵のサマの関係性を見せるシーンが特にそういうもっさりした印象を受けました。
ここで、サマからマウやスーたちをやえもんが守るのに、なけなしの石炭を使って軽く活躍するといった、よりアクティブな展開であればグッと締まった感じになったのでは? とも思うのです。そうすれば、ねずみたちがやえもんのために石炭を確保する動機付けもより際立つわけですから。

ただ、この前半を取り返すかのように、クライマックスでやえもんがディムと激しいチェイス&バトルを派手に繰り広げるのを観て、苛烈なアクションに関して、キッチリとカット数ではなく呎数でリミットがあったのではないか? という気もします。

エンドロールでの多数のCGスタジオの参加──レンダリングのためだけにプロダクションI.G.が参加していたりする!──を鑑みるに、制作期間の短さ(おそらくCGのアニメート部分でも最大で4ヶ月前後なのではないかと?)とある種の突貫作業が伺えて、そうなると当然、コンポジットやレンダリングが複雑になるシークエンスに割ける時間の上限が厳然と決まってくるわけで・・・。
殊に『やえもん』の場合は、やえもん自身が感情を持ったキャラクターなので、ビークル的に動かすだけでなく、いちいち表情やボディランゲージ的な感情芝居を付けてやらねばならず、モデリング的にも負担がかかる可能性すらあります。
実際、前半はやえもんはほとんど動かず、顔部分のアップショットが多かったように思います。

そういう意味からの、やむない妥協かも知れないですが>もっさり感。

と、ちょっと辛口なコトを書きましたが、今も書いたとおりクライマックスの派手なアクションで、そうした不完全燃焼感は一気に解消されますし、全編で都合2回組み込まれているやえもんが涙を流すシーンでの、彼の涙の雫が、スーパースローで落ちてミルククラウンを形成するシークエンスなどは(アニメの演出手法そのものとしては良くあるものですが)、3-Dであるが故に非常にインパクトのある綺麗な演出になっていたりもします。

また、弱気になっているやえもんを励ますために、マウとスーたちが昔のやえもんの活躍写真を色々と持ち出すシーンも凄く感動的! 
冷静に考えると超展開に属する部類の演出だとは思うのですが、定番的に回想演出にするよりも、額にはまった写真を、画面奥までいっぱいのねずみたちが、次々に持ち上げてゆくという流れは、立体映像という視覚効果に見事にマッチしていました。

で、かなり意外だったのが、やえもんが解体されることが知らされる雨のシーン。
貝澤さんにしては珍しく、雨=鬱シーンの定石に則っていて「おや?」と思ったのですが(それでも、傘を差して駅員がやえもんの機関庫にやって来るカットは、いかにも貝澤さんらしい水たまりの鏡面レイアウトになっている!)、クライマックスでスーと協力者であるカラスのカー助以下、カラス軍団が石炭をやえもんのために空中から投下するシーンとの、一種の対比になっているんですね。
・・・つまり石炭の雨が、やえもんの釜に火を付けて力を与えるという、火と水の対比になっているのではないかと。
ここで、ねずみの誰かに「石炭の雨だ!」と言わせてくれたら、なおハッキリしたのではないかしらん(自分の深読みしすぎかも知れないですけどねwwww)。

冒頭の、在りし日の颯爽と走るやえもんのカットと、ラストで海沿いをどこまでも疾走してゆくやえもんのカットも、しっかりと合わせてあって、この辺りの抜かりない美しさも貝澤さんらしいトコロ♪

・・・と、ナンダカンダでトータルとしては、見応えのある作品にはなっておりますデスヽ(´ー`)ノ

ちなみに、最大のウリである立体視覚効果ですが、『やえもん』に関して言えば“飛び出す”感や“迫ってくる”感はかなり少ないです。
狙いはそこではなく、各所のインタビューで貝澤さんも言われているとおり、奥行き感に最大の注意が払われている感じがしました。
なので、貝澤さんが得意としている窓越しのレイアウトでのピン送りカットや、それに伴う鏡面効果、あるいは光の明暗によるコントラストを用いた空間表現などは、絶大な効果を発揮しています。
至ってナチュラルな三次元空間の表現がコンセプトのようなので、オブジェクトが目の前に迫ってくるようなハラハラ感を期待しすぎると、少々食い足りない感じを覚えるかも知れません。

と、ゴタゴタと書いてきましたが、この映画を見終わった後、いつもよりお年寄りに対して敬意を感じたりもして、それだけで充分にこの映画は成功しているんだとも思いました。

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2009年10月 7日 (水)

正しかるべき正義も、時として盲いることがある

10月1日から、AXNミステリチャンネル(旧ミステリチャンネル)で『逃亡者』が放送開始!
最近はどうやらそうでもないらしいですけど、『逃亡者』といえば、もうデビッド・ジャンセン演じるキンブル先生のアメリカ全土の逃亡劇しかないワケですよ!!!

2年ほど前にBS-2で放映したときは1シーズンと4シーズンという酷い放送形態だったので──なんといっても、一番美味しいのは『アンタッチャブル』『ネーム・オブ・ザ・ゲーム』『バナチェック登場』等、ハード路線のクライムサスペンスを得意とする、ジョージ・エクスタインが中核的なライターとして活躍する2・3シーズンですからね!──、今回は全シーズン放送してくれるようなので、嬉しい限りヽ(´ー`)ノ

放送局名が変わったとおり、どうやらAXNの傘下(もともと、同一資本だったのかもですが)になったので放映権を手に入れたのかしらん? とも思うわけですが、しかし7年ほど前にAXNで放映されたのとは違って、エンドタイトルまでバッチリ流しているし、なんとなくニュープリントっぽい??

『逃亡者』のいわゆるコンパニオン本「The Fugitive Recaptured」は持っているので、詳細なクレジットの資料は手元にあるわけですが、でもやっぱりエンドタイトルまできちんと放映してくれるのは嬉しいですよ!

・・・あ、でもそうなるとAXNで3シーズンの前後編「錯乱」(前編)の時に流れた放映当時の日本語版予告編(!)は当然カットということか_| ̄|○
「リチャード・キンブル役のデビッド・ジャンセンです。来週は錯乱・後編をお送りします」
みたいな感じで、デビッド・ジャンセンが(もち睦五郎の声で)カメラ目線で語り初めて、60秒近く「錯乱(後編)」のハイライトシーンを流すという、なかなかなレア映像wwww

25年くらい前にフジの深夜枠で『スパイ大作戦』を放映したとき「奇跡のカムバック」(前編)でやっぱり60秒近い日本初放映当時のものと思われる長すぎる予告(笑)が流れたことがありましたが、60年代の外国TVの予告編って、どれもそんなに長かったんですかね??

そういえば、合衆国はもとより、メキシコにも何度か渡ったキンブル先生ですが、アラスカには行ったけどハワイには行ってないんですよね。
全話ハワイロケの『ハワイ5-O』は『逃亡者』よりももう少し後の作品ですし、70年代後半の『チャーリーズエンジェル』もハワイロケ編は前後編の(しかも米国放送ではシーズン頭の)イベント的なエピソードだったことを思うと、(誤解を恐れずに言えば)アメリカ人にとってハワイって日本での沖縄的な感覚なのかしらん? とも思ったりして。
逆に『逃亡者』と酷似したシチュエーションで展開する『超人ハルク』(ヒューマン路線好きのケネス・ジョンソンは明らかに『逃亡者』を狙ってたように思うんですけどね)では1シーズンのクライマックスエピソードが、舞台的には割と意味なく(笑)ハワイでの前後編だったりもするので、やっぱりそういうイメージの土地なのかな? とか感じつつ、70年代以降は飛行機インフラが整ったので、ロケにも行きやすくなったんでしょうね〜>ハワイ。

確かにキンブル先生は飛行機移動ってほぼなくて、「サイコロの旅」もかくやの(笑)深夜バスでの移動が基本ですからねwwwww
キンブル先生は、でもお尻の肉がもげる夢は見なかったんだろうナァ〜(笑)

と、ダラダラ書いてきましたが、全話録画に挑戦するよ!>『逃亡者』

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2009年9月30日 (水)

スタートレック:ビバヒルヽ(´ー`)ノ

スーパードラマTV!でベルト放映中の『ビバヒル高校白書』。
あっという間に3シーズン目のレギュラーエピソード(3年目9月期からの話)に突入!

この3年目から、いわゆる『ビバヒル』的といわれる昼メロ的なくっついたり離れたりのドロドロ系wラブストーリー路線へと突入して行くわけなんですけど(ブレンダ、ケリーとディランとのヘビーな三角関係や、ドナが一応ステディであるデビッドに対する新キャラ・ニッキーの興味&その後ニッキーはブランドンとステディになる・・・。でアンドレアのブランドンに対する興味の半減というか実質的な恋愛感情の消滅・・・)、これに伴って、各エピソードごとの連続性が強化もされて行く感じもあります。

そんな3シーズンのサマーエピソード(夏休み中の話)から、エグゼクティブ・ストーリー・エディター(日本のアニメで言えば、文芸、設定制作を足して2で割った感じの役職で、権限的にはシリーズ構成に近い)に『スタートレックヴォイジャー』でほぼ唯一全シーズンにシニアスタッフとして活躍したケネス・ビラーが参加(共同で)してるという事実にビックリ!(o△o)|||
NHKでの放映ではエンドタイトルは、オリジナルの映像じゃないかったからナァ〜(´・ω・`)

『VGR』でのケネス・ビラーの最大の貢献というか、ポイントとなっているのは、パリスとベラナをくっつけさせた張本人で、ビラーがシリーズのトップに上り詰め行くに従って、一種のラブコメ路線と、伏線を意図していなかったと思われる以前のエピソードの出来事を巧みに汲み取り、繋ぎ合わせてゆく展開になってゆくんですよね〜。

モアシリアスか、気持ちラブコメ的かの差こそあれ、継続的でキャラの性格面からの予定調和的なカップリングを回避する辺りは、結構『ビバヒル』譲りだったんじゃ? と思ったりして。
『ビバヒル』でいえば2シーズンまでの展開ならば、どう考えてもブランドンとアンドレアは、何らかの形でも結局鞘に収りそうな具合だったところが、そうはならない。『VGR』ならば、おそらくビラー以外のプロデューサー陣は、かなりジェインウエイとチャコティをくっつけたがっていたのを、ビラーが最終シーズンにエグゼクティブ・プロデューサーになったら、チャラになっちゃったりとかwww

『ビバヒル』は高校編が終わったら見るのを止めようと思ってたんですが、ビラーが何シーズンまで関わっていたのかが気になるので、4シーズン以降も見続けよう佳奈?

あと、『ビバヒル』最後の良心だったチップ・ヨハンセンが参加したのもこの3シーズン目からだったんですね。ストーリー・エディター(文芸)での参加だったのか〜。
やっぱり3シーズンまでに関わっていたスタッフが、全員去ってからの劣化が激しかったワケか〜>『ビバヒル』

しかし、やっぱりエンドタイトルがないとダメだな。

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2009年9月 2日 (水)

秋ちゃんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ

先日のエントリーでの願いが叶って(?)昨日から「ニュースウォッチ9」の天気予報に、新たな気象的萌えキャラ、秋ちゃんが登場!
熱中将軍はやっぱり、萌えキャラ復活フラグだったんですね!>平井さん♪

Aki0902_2もちろん、今宵も出番がありましたよ〜〜ヽ(´ー`)ノ
今年は、秋の気配の到来が早いので、秋ちゃんの登場はイイカンジにタイムリーですね〜。

しかし、微妙に予想通りにお姉さん系キャラなのですが、なぜに弥生人的髪型!?
ティアラは紅葉をイメージしてるようですが、髪型は実りの秋=稲刈り=米=弥生時代(米伝来)とかいう連想ゲーム的発想かしらん??(゜∀゜)

なんにしても、またしばらく「ニュースウォッチ9」の天気予報から目が離せませんナ!

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2009年7月 7日 (火)

嗚呼、ビバリーヒルズ高校白書

スーパードラマTV!で、『ビバヒル』こと『ビバリーヒルズ高校白書』がパイロット版(第1シーズンの第1話)から始まりました〜ヽ(´ー`)ノ

今となっては、ディラン&キャサリンの例を出すまでもなく、歯の浮くようなクサイ殺し文句を言い合って、即セクースみたいな(爆)アレげなイメージで捉えられがちですが・・・『ビバヒル』が「ビバ!昼メロ」の省略といわれても反論できないほど(苦笑)、右往左往する恋のさや当て合戦みたいな雰囲気になったのは、続編の(本当は同じシリーズだけど)『青春白書』後半──特に大学を卒業した後──からなんですよ〜。
クリエーターのダーレン・スターを始め、初期の制作総指揮だったチップ・ヨハンセンなど、企画立ち上げからの古参のメンバーが全員いなくなった後のコトで、初期の・・・殊に『高校白書』編である1〜3シーズンは、相当に神がかった完成度のリアルな学園ドラマが描かれています。

世間では、これと『ER』、『フルハウス』が90年代中盤〜後半の外国TVブームのきっかけになったといわれていますが、実は『ビバヒル』の影響はそれだけではなくて、「カッコイイ」という意味での「クール」という使い方をある意味広めたのが『ビバヒル』だったと思うわけです。
さらに、ハロウィンやバレンタインでの「ハッピー〜」という挨拶の仕方も、アメリカ人のハイティーンの日常を描いた『ビバヒル』によって日本での市民権を得たと言えるでしょう。

原語をヘンに日本語に直さず、そのままカタカナ言葉としてセリフにした日本語版制作スタッフの、巧みなセンスに、改めて脱帽です。

日本語版といえば、『ビバヒル』初期メンバーの声優陣も、当時の外国TVのキャスティングとしては、異例なほどアニメ作品系の声優たちを(おそらく敢えて)揃えていたことも革新的でした。
今でもそうですが、どういうワケかアニメで活躍している声優さんと、吹き替え中心に活躍している声優さんの2系統があって、(声優本人の考えとは別に)それぞれエキスパート化されている節があります。・・・堀江由衣嬢や植田佳奈嬢は頻繁にアニメには登場しますが、外国TVや洋画の吹き替えは皆無に近い。けれど、その逆に吹き替え仕事では常連の沢海陽子さん辺りは、アニメの仕事は凄く少ないことからも判るかと・・・。

そこから行くと、中原茂氏、小杉十郎太氏、松本梨香さん、水谷優子さん、佐々木望氏、安達忍さんといった、当時のアニメの人気声優が勢揃いしていた『ビバヒル』が、如何に凄かったかが判ります。
その上、松本さんの美女役とか水谷さんのお堅い優等生など、当時のアニメでは考えられない配役ぶりもイカしていたのですよ〜〜☆

・・・まぁ、初期の『ビバヒル』は放送枠そのものさえも固定されていない、BS-2の毎日夕方5時台ごろ(!)に、集中放送みたいな形での放送形態だったので、外画の常連声優ではなく若手のアニメ系で固めたのは、キャスティング予算が少なかっただけという可能性も、今にして思うと、有りえるような気もしますけどネ(爆)。

と、なんとなくとりとめもなく書いてしまいましたが(苦笑)、改めて『高校白書』を通してみてみようと思っておるわけです。はい。

それにつけても、水谷さん演じるアンドレアのイインチョ属性のフル装備ぶりはどうだ!
やっぱりアンドレアはシリーズ前半の、あか抜けてないメガネっ娘時代に限るね〜〜ヽ(´ー`)ノ

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2009年7月 3日 (金)

「たの幼」の すごい ネタバレ!

って、まぁ幼児誌っていうのは、ぶっちゃけネタバレしてナンボ、みたいなところではあるんですけどヽ(´ー`)ノ

「たの幼」の今月号──『プリキュア』の話題ではなくて、珍しく『ディケイド』の話なのですが、8月号というだけあって、映画の内容について書かれているわけです。

今回の『ディケイド』の映画には、歴代ライダーがすべて揃うのがウリなのはご存じの通り。
で、そこにはちゃんと『ゼクロス』や『ZO』、さらに『真』まで揃っておりまして(゜∀゜)、誌面で『Gメン’75』みたいに横一列で歩いている集合カットが!(なぜかブラックとRXが並んでいるという、本来ならありえな〜い! 並びもあったりwwww)

そこで、ふと思い起こされたのが『J』は?? と(笑)
巨大化するライダーは、流石に黒歴史なのかしらん???(爆) とか思いつつ、ページをめくると・・・
すでにアナウンスされているキングダークと、なんと一騎打ちするディケイド・コンプリートフォームの姿が!
「てきの きょだいかいじんを たおす
ため、ディケイド(でぃけいど)が きょだいな
すがたに へんしんするぞ。」
(゜∀゜)(゜∀゜)(゜∀゜)(゜∀゜)(゜∀゜)
「きょだいな すがた」ってサラっと書いてありますが、これって文字通りの切り札が『J』のアタックライドってことなんじゃ????ヽ(´ー`)ノ

加えて、どうやら『W』も顔見せ的に映画に先行登場しちゃったりもするようで・・・。

この情報って、『ヱヴァ・破』でいったら、仮設5号機の出番とか3号機の搭乗者とかについて公開直前にバラしちゃってるようなモノなんじゃ??????(゜∀゜)
これこそ幼児誌!!! ビバっ!幼児誌wwwww

それに比べて『フレプリ』は
「★とうとう 4にんめの
プリキュア(ぷりきゅあ)が あらわれたのよ!
だれが へんしんしたのかしら……?」
って、ドーイウコトだよヽ(`Д´)ノ
もっとしっかりネタバレしろよ!!!!(爆)

なんちゃって☆(手屁♪)

追記:「宇宙船」にも映画の『ディケイド』で、コンプリートフォームの状態で巨大化するということは明らかにされてました・・・でも、キングダークと戦うことは伏せられてたwwww
あと、Wが登場することもモチロン書かれてなかったヨヽ(´ー`)ノ

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2009年5月 5日 (火)

朝から晩まで、ずっとチョーさんのターン!

今日はETVのこどもの日目玉企画の、もう一度みたい教育テレビの子供番組キャラランキングの特番があったりしました。
てっきり、「たんけんぼくのまち2009」はこの枠でやるものと思い、ダラダラと見続けておったのですが、チョーさん(ご存じの通り、現在の芸名が「チョー」なので、そうでなくても役としてのキャラ性が本人のそれとシンクロ気味なのに、役名としての名前なのか芸名なのかあやふやな表記のお陰で(笑)、シンクロ度合いは半端ナイものにヽ(´ー`)ノ)が生で「たんけんちず」を描くという荒技をきちんとやってのけた上に、城島版「はたらくおじさん」のVTR(声優さんの仕事を紹介)にも、チョーさんが登場!
アフレコ現場は、もちろん『マリー&ガリー』(笑)

つまり、今回の働くおじさんは(主役)=チョーさん!!!(゜∀゜)
中間発表とはいえランキングでも、「にこにこぷん」の3人(じゃじゃまる/ぴっころ/ぽろり)を抑えての1位・・・自分はてっきり「にこにこぷん」の3人のスリートップだと思ってました。

で、チョーさんがレギュラーの『マリガリ』直後に、本日のメインイベント!
「たんけんぼくのまち」&「たんけんぼくのまち2009」、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!!!!

自分自身は、「たんけんぼくのまち」直撃世代ではなく、当時既に25年前のチョーさんの設定年齢とほぼ同じ(この事実は、今日の再放送で初めて知ったヨ!(o△o)|||)だったのですが、自主休講とかで割合と良く見ておりまして、結構当時の友人たちの間でも話題だった記憶があります。
で、子供たちに白地図を書かせる勉強のモチベーションとして、かしこまった地形図ノリではなく、マンガ的なイラストマップでいいんだよ、という提案の仕方や、いわゆる脱ドラマ系ギャグドラマ的なストーリーなど、いい歳をした人間から見ても普通に面白かった!
そんな番組でした。

「2009」バージョンは、かつてチョーさんがお世話になった諏訪の町を訪れるという嗜好なのですが、おじさんの商店(食料品店)は廃業。店は業態変更した上に、おじさんは仕出し店で雇用されているという、辛い現実が赤裸々にオンエア。
25年前の、(地元のことを勉強しよう!というコンセプトの子供場組と言うこともあるけど)なにとはなしに理想や希望に溢れている雰囲気とは異なる、ドキュメンタリー番組的なテンションに(苦笑)。
その落差たるや、ある意味で首藤剛志が好んで書きそうな、アンハッピーな展開ダターリ(爆)。

とはいえ、そうした中でも、前向きに地に足を着けて生きているおじさんや、地元の青年団(?)の人たちとフランクに会話するチョーさんの映像(つか、マジで台本無しと見て取れる実質インタビュー的な会話があって、その独特のリアリティも良かったです)は、「クローズアップ現代」とかニュースのシャッター商店街問題や自営業の廃業問題特集とかで、きちんとしたスーツ姿で「そんな社会問題なんて金稼ぐ道具で、自分の生活とは実は無縁だモンね」的なしたり顔のアナリストの偉い先生様のコメントとかチラ裏分析なんかより、よっぽど見ている人の心に届くものだった!

また、お馴染みの小芝居や小ネタギャグ(冒頭の「生きてるよ!」に、まず爆笑! また現在は「いないいないばぁ」でわんわんを声だけでなくスーツアクトも担当しているわけですが、やっぱり「イヌは苦手だ!/前世はイヌだったのか?」みたいな、画面の向こうで突っ込んでくれてるに違いないことを想定している、インタラクティブ感の強いネタもグー!)とかもうまーい具合に入っているので、確かに切ないほろ苦い雰囲気も漂うものの、そこはイイカンジにマイルドに仕上げてもありました。
その意味では、バラエティとドキュメンタリー番組のイイトコ取りを思わせる内容〜。

お約束の、「次は君の町に行くかも知れないよ!」の一言もバッチリラストにあって、そこも結構感涙!

・・・直撃世代の人たちにとっては、本当に号泣してしまうネ申番組だったんじゃないかしらん。

しかし、改めて思うのは、チョーさんの子煩悩な芝居の良さ!(特にオリジナル版)
チョーさんの声優としての代表作は、個人的には『スタートレック ヴォイジャー』のニーリックスと『ぶぶチャチャ』のチャチャだと勝手に思っているのですが、どちらもコミカル&ユーモラスで子供に慕われている(もちろん、自身も子供が大好きな)役どころ。

案外、自分も役者としてのチョーさんは“「たんけんぼくのまち」のチョーさん”のイメージがやっぱり強いのかも知れません。

てなカンジで♪
正直、今後も続けて欲しい! いや、絶対に続けるべき! な「たんけんぼくのまち2009」なのでした。

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