〔ブログ更新〕デジクォーツにさようならヽ(´ー`)ノ:デジクロ3期最終回インプレ
『デジモンクロスウォーズ時を駆ける少年ハンターたち』も最終回と相成りました。
3月期放映分から、シリーズ開始当初にアナウンスされていた(『オトナアニメ』での三条陸氏のインタビューによれば、そこだけが必要以上に紹介されてしまったとのことでしたが)歴代シリーズ主人公たちが徐々に登場し、『デジモンクロスウォーズ』としてだけでなく「デジモン」シリーズとしての一つの集大成的な展開となって迎えての最終回です。
演出は、最終回に相応しくSDの貝澤幸男さん!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!!!
前回の演出が角銅博之氏で、「デジモン」シリーズ初期4作のSDでもあるお二人のリレーで締めくくるという感じになってます。
ストーリーとしても前回からの続きになっており、地球全体をデジタル化して呑み込もうとするクオーツモンをハントするための唯一の武器、ブレイブスナッチャーがリョウマの裏切りによって破壊され、さらにタイキとシャウトモンも大きなダメージを受けて動けないという、絶体絶命の状態からスタート。
アスタモンがクオーツモンの擬態であり、リョウマを実は操っていたという真実を明かした後、一気に地球規模のデジタル化を進めるスケール感あるカタストロフにまず圧倒です。
何より特筆すべきは、前回でネネやキリハを含め歴代主人公が勢揃いし、ゼンジロウ、アカリもクロスローダーを手に入れたものの、彼らが力を結集して集団でクオーツモンに立ち向かうのではなく、あくまでも『時駆け』の主人公=タギル&ガムドラモン(アレスタードラモン)に力を貸して、この二人がクオーツモンと戦うという、キャラドラマとしては極めてミニマムな、絞り込んだ内容になっている点です。
同時にタイキがタギルに“6人目の勇者”としての役目を託す際の、ゴーグルに仮託させたバトンタッチ的な見せ方も熱い!
歴代主人公がそろい踏みして強大な敵と戦うイベント的な物量感は、ある程度前回の見どころとして用意されていたので、自分としてはタギルとガムドラモンにスポットを当てた最終決戦は、二人の熱血的な感情を追い続けることで散漫になることなく、大変締まった内容になったと感じられました。
さらに、Aパートでの歴代の勇者の力を借りて活躍するシーンでは「レジェンド・クロスウォーズ」、Bパート前半のクオーツモンとの一騎打ちでは「Yell」の軽快なアレンジ曲、バトルクライマックスでは定番曲「タギルチカラ」と、アクションのシチュエーションに合せた選曲も、大いに燃えるものがありました。
またクオーツモンが人間のデータを生きたまま取り込み、盾にしてタギルたちを追い込む辺りは、いわゆる原作版『デビルマン』の「ジンメン編」のそれ。クオーツモンの腕や体から伸びた触手の先に、タイキたちの顔が出現するホラー的なビジュアルには総毛立つばかり。
この手のシチュエーションの多くが、“辛い犠牲を払って得た苦い勝利”のための布石として用いられるのに対して、そこを如何に退けてハッピーエンドに導くか?という形になっている点も、感心しきりデス。
そのクオーツモンの、なんとも異形感ある奇っ怪な四本腕のデザインや動きもポイント高し!
巨大な球体と合体して地中へと潜ってゆくとか、その巨大な縦坑へとタギルとアレスタードラモンが追いかけてゆく辺りは、地底と穴が大好きな(笑)貝澤さんらしいトコロでもありますね♪
前回から登場のブレイブスナッチャーやそれを引上げるためのデバイスの形状が、熊手型や六分儀型というアナロジカルなモチーフなのも、個人的には貝澤さんぽい感じがしました☆
そしてクライマックスで、破壊されたブレイブスナッチャーとデジクロスしてアレスタードラモンに“装備”させることで修復するアイデアは、『デジクロ』シリーズたればこそ!
大団円での、タイキからタギルへと(位置関係的に)ぐるりとPANするロングカットでのキャラクター勢揃いも圧巻で、しかもタイキの台詞に沿ってPANするという、カメラワークもなかなか手間のかかったものになってます。
ちなみにこのカットの原画、演助さんのTWによれば、全部で2mにもなったとか!
貝澤さんは、意外と『ウォーリーを探せ』的な(!)キャラクター総登場みたいなことを良くやるのですが(『ファンファンファーマシィー』のDVD用新作OPや5期『鬼太郎』2年目OPが好例)、今回はその究極版といったところでしょうか?(笑)
しかし何より貝澤さんらしさに溢れていたのは、エピローグパートでしょう!
『時駆け』1話のアバンと被せた始まり方(ナレーションも完全に被せている)ですが、1話では対抗試合で賑やかな雰囲気だったのとは逆に、タイキ、ユウ、タギルの三人だけで、しかもタギルは覇気がない、ガムドラモンとの別れの淋しさを感じさせるどこか虚脱した空気感にしています。
『鬼太郎』19話や96話のように、最初と最後を同一シチュエーションで揃えるのも、貝澤さんが好みの手法だったりします。
もっとも貝澤さんが1話と最終回の両方を演出するシリーズは少ないので(涙)、この手法を用いて締めくくるシリーズは多くないのですが(苦笑)。
その様子をガムドラモンがうかがうシルエット処理に光る目というカットも、1話であったシチュエーションです。
その姿にタギルがいち早く気がつき、再びハントを始めるところでエンドマークになるのですが、以降二人は完全にシルエット処理になっており、敢えて喜びの表情を画で見せず、手振り身振りと声優さんの演技で体現させる感情芝居が、なんとも感動的!!
時計屋のおやじの意外な、しかし非常に腑に落ちる正体とともに、最終回でありながら、新たな物語の広がりも感じさせる結末でした。
作画も『鬼太郎』からお馴染みの作監級の面々が勢揃いした上に、3期は降板していた大塚健氏と冨田与四一氏も復帰しての、こちらもオールスターズ状態ヽ(´ー`)ノ
冨田氏といえばネネさんなワケでして(笑)作画の雰囲気からしても(利き作画が得意ではないものの)、担当カットは十中八九、クロスローダーを手にしてクロノブレーカーを強化するデジクロチームではないかと☆
てなカンジで♪最後にもう一度、冨田作画のネネさんが観られたのも嬉しいトコロでしたよ☆
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