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2009年7月24日 (金)

海が怒りに染まる時

子供のころ、風呂に入るたびに気になっていたことがありました。

巨大ロボや巨大ヒーローがダムや港湾部で戦う際、着水したり勢いよく潜水したりして敵とバトルを演じるというシーンがありますが、正義側が着水する時は、どうしたワケか小さく波立つ程度で、水が堤防や防波堤を大きく越えることが無いのは、オカシイだろう? と。
自分がゆっくりと湯船に浸かるだけでも、満水に近い湯船からお湯がドッと溢れ出るのに、ビルよりも巨大なロボットが水に入っても、ダムから水が溢れ出ないのが、なんとも納得できなかったのです。

正義の味方が被害を出すわけにはいかないので、いわゆる「アルキメデスの法則」を敢えて無視しているワケなのですが、見ていて疑問だったのですよ。

その疑問に対して「その通りだ! 絶対にオカシイ!」と“応えてくれた”のが『ザンボット3』の、「海が怒りに染まる時」でした。

巨大なザンボットとメカブースト・ガルンゲが斜めった水平線上で対峙し、ザンボットが水中に身を沈めるとともに(海上へ出てくるシーンだったかな?)、ものすごい高波が起こって手前(カメラ側)へと押し寄せてくるだけでなく、手前側にいる人々を、無慈悲にも呑み込んで行く・・・

ショッキングではありましたが、「水際で戦えば、当然こうなるよな!」というリアリティを強く感じたのをおぼえています。

数年後、アニメのスタッフにも興味が出た時、このエピソードを金田伊功氏らスタジオZの面々が担当していたことを知り、そして一発で大ファンになりました。
『ザンボット3』のコンセプトからいって、このシーンはおそらくシナリオ通り、コンテ通りだと思うのですが、そのパニック映画的な恐怖感と、そこから生まれるザンボットの巨大感・重量感は、見事なものでした。・・・というか、90年代にリピートなどで見ても、やっぱり圧倒的な迫力がありましたヨ。

金田伊功氏は、派手で軽快な(多少物理法則を無視した)デフォルメアクションというイメージで捉えられている感じもしますが、それ以前に、きちんと重量感や物理的な存在感を見せるアニメーターでもあったような気がします(それは、広角アングルでの強烈なパースL/Oにもいえるでしょう)。
・・・つまり物理法則を極端にデフォルメした作画だったのではないかと。
だからこそ、重たいものや巨大なものが軽やかに、あるいは猛スピードで動く爽快感や、パンチやキックの“重さ”と迫力があったのではないかと。

金田作画のすごかったのは、それをある程度テンプレ化しても効果が薄れないところで、だからこそ「日本のアニメの作画を変えた」といわれるのではないかと感じる次第。

またメカの表面処理としてブラシ効果ではなく、パネルラインを喚起させる形でZ字の影やハイライトを入れ始めたのも、金田作画からだったように思います。

一応プロライターではあるものの、この業界の末席も末席、5階席最後列くらい末席にいる自分は、金田氏とは面識どころか取材でお会いするようなこともまったくなかったので、追悼の代わりに、自分がもっとも印象に残る金田作画が見られるアニメのことを綴ってみました。

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