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2009年4月 2日 (木)

いや〜ん、バカンス♪

『鬼太郎』2年目の最終回となる(と、敢えて書きます!)100話目。──つまり、シリーズの最後というスタンスでのインプレではありませんので、あしからず。
レギュラーキャラ関係では、唯一まだ覚醒していない黒鴉の四十七士覚醒エピソードです。

Neko10005飛騨山中の大天狗のところへやって来た鬼太郎と目玉おやじ、蒼坊主、呼子は、浪小僧や岩魚坊主と再会した。大天狗にもてなされる鬼太郎たちだったが、その時、群馬の温泉街に妖怪・水龍丸が出現したと報告が入った。そこは、大天狗の直轄地であり、またネコ娘とねずみ男が四十七士捜しにちょうど赴いていた場所だった。さらに飛騨へも妖怪・松明丸が現れ、攻撃を始めた。水龍丸と松明丸を操っているのは、なんと黒鴉で、ネコ娘とねずみ男も彼に捕まり監禁されていた。黒鴉は、実は実父である鴉天狗・黒雲坊の怨霊に憑依されていたのだ。黒雲坊の狙いは、3000年前に自分を殺した大天狗への復讐だった。

2年目のラストを飾るに相応しい、シリアスでスケール感も大きい正統派のバトルアクション編です。特に、98話99話とコミカルなノリの強いエピソードが続いたこともあって、より引き締まった印象も受けます。・・・こうした、シリーズ構成的なメリハリの付け方が上手いですよね!

今回は、もはや蒼坊主と同格クラスのセミレギュラーと言って過言ではない、黒鴉のお当番回なのですが、意外にもこれが初めてのお当番だったりします(普通は、蒼坊主やアマビエのようにシリーズの途中から加わった鬼太郎側の妖怪たちは、初登場回が一応主役として描かれているのですが、黒鴉だけは意図的だったかどうかは判りませんが、違っていたわけですね)。
黒鴉がネコ娘に想いを寄せているという設定も、2度目の登場となる39話からですし、ねずみ男を更生させようと口うるさく接するのも73話(これは今回、回想カットとして登場します)であったりと、鬼太郎と目玉おやじに次ぐメインどころであるネコ娘とねずみ男との関係性をきっちりと受け手に認識させた上での主役回は、まさに満を持してといったところ。

Neko10003ストーリーの軸となるのは、黒鴉の出生の秘密──彼の本当の父親の正体と、育ての親である大天狗との因縁──で、正義を尊ぶ黒鴉が、邪悪な心を持った天狗・黒雲坊の実子であること、その父の言葉に逆らえず憑依され、悪の限りを尽くしてしまうことへの葛藤と、それを如何に越えて行くのか? がドラマとしての感情面での見せ場です。
この悪に組みする父と正義に生きる息子の関係性というテーマが、いかにも三条陸氏らしいところで、『ダイの大冒険』や『ガイキング〜Legend of DAIKUMARYU〜』等、氏の重要なモチーフとなっているものです。
今回の場合は、生みの親=悪と育ての親=正義とすることで、黒鴉は二重の苦悩と葛藤に苛まれるわけです。

Neko10001苦悩する黒鴉を、鬼太郎やネコ娘だけでなく、ねずみ男までがエールを送り──牢獄でのわざと憎まれ口を叩くシーン(このセリフに対して、ねずみ男に「見直したわ」と声をかけるネコ娘もヨカです☆)や、大天狗と対峙し弱気な想いを吐露する黒鴉に「オレに手本を見せてみろ!」と叫ぶシーンなど、ねずみ男の普段は隠している気骨感を、バシッと見せるナイスな名場面でもあります──、すんでのところで己の正義を取り戻すことで、黒雲坊を撃退する、王道でカタルシスの高い盛り上がりを見せるのですが、黒雲坊との繋がりである腕のアザの下から、黒鴉の正義の思いに反応して四十七士の紋章が浮き上がり、黒雲坊の魂が黒鴉の肉体から逃げ出すというシークエンスが、とにかく格好良くて、熱いワケです!
また、その直前にお互いに涙を流して抱き合う黒鴉と大天狗も感動的。

とはいうものの、その邪悪な黒雲坊はあくまでも黒鴉の父であり、最後は黒鴉自身が黒雲坊に止めを刺す形になっているので、思いのほかラストはほろ苦く切ない雰囲気が漂います。
殊に、夕日をバックに崩れ落ちる黒雲坊の悪霊が宿った奇岩をみつめる黒鴉のカットで終幕とする、映像的には余韻を見せずに見る側に託す形で余韻を印象づける演出が、そうした黒鴉の悲しみと成長を上手く出していました。

こうした感情面の盛り上げとともに、2年目のラストということで、今回は全編に渡って派手なバトルシーンが組み込まれており、アクション面でも大いに楽しませてくれます。
Neko10007天狗の法力による使い魔、水龍丸と松明丸という巨大モンスタータイプの妖怪──この二匹って、7クール目のEDで巨大化した鬼太郎と戦っていた妖怪ですよね?──に対して、横丁の面々や四十七士たちが応戦したり、黒雲坊のシモベである天狗傀儡と鬼太郎とのバトルなど、黒鴉の感情ドラマ同様に熱くて気合いが入ってた描写の連続。Neko10008天狗傀儡のデザインも格好良いので、髪の毛針や指でっぽうで蹴散らされて土塊に戻る辺りの爽快感もより決まる感じもありますね。

この他バトルシーンでの細かいところとしては、松明丸の吐き出す火炎玉を岩魚坊主が石化能力を使って炎のまま岩石に変えてしまうのが、センス・オブ・ワンダーなイメージで好みでした。

こうしたてんこ盛りな内容を、詰め込みすぎの印象もなく、怒濤の展開で描いてゆく辺りは、流石あの『マジンガーZ対暗黒大将軍』を監督した西沢信孝氏のコンテ!

ところで、おそらく四十七士並の妖力は持っているであろう蒼坊主が、何故選ばれないのか? を岩魚坊主との会話でサラリと説明していましたが、なるほど故郷を持たない風来坊では、霊所の揚力を引き出す能力を持てないというのは、大変ロジカルで上手いと感じた次第。
・・・99話でのフェイクな覚醒や、今回の正義と悪の葛藤の末の覚醒なども含め、ようやく四十七士に関して気の利いた扱い方が出来てきたといった感じでしょうか・・・それだけに、これで最終回というのは悔やまれます!

Neko10009さてさて、今回のネコ娘は黒鴉メインということもあってか(?)、囚われのヒロインという扱い。
なので主な登場場面は、黒雲坊の根城の牢獄で縛られているという状況だったりします。Neko10006黒鴉が正気を取り戻している時に、ネコ娘たちを逃がそうとするのも、正義感以上にネコ娘への想いから出た行動と感じさせる辺りもイイですね〜。
ここで文字通り、苦しむ黒鴉を見ていることしかできないネコ娘の、己の弱さを恥じる黒鴉の姿を見て浮かべる涙が、彼女の黒鴉への優しい思いやりを感じさせます。

ちょっと欲を言わせてもらえば、黒鴉が黒雲坊の呪縛から解き放たれる一つのきっかけとして、より彼のネコ娘への想いが出てくれたなら良かったかも?(例えば、大天狗を剣で貫くのを寸止めするシーンで、ネコ娘の叫び声とかに反応するとか) などとも思ったりもするのですが、内容的にはもの凄く密度が濃いので、そういういってみれば瑣末な要素は入りきらないところも、あるといえばあるわけですが(苦笑)。

なお99話100話とシリーズのラスト2本は、基本とも言える春服での登場で、最後はもっともスタンダードなスタイルで締めくくった感もありました。

作画陣も、98話に続いてまたもオールスター的な布陣で臨んでおり市川慶一氏や信実節子さん、芹田明雄氏らに加え、上野ケン氏も原画でクレジットされてます。
(それにしても今回の作監の藪本陽輔氏は、最終クールではずいぶんと原画でも参加してますよね〜!)

で、このエピソードはシリーズとしても最終回となってしまったので(泣)、番組頭の40周年ロゴではキャスト全員と思われる主題歌の合唱や、EDもシリーズ全体からチョイスした総集編的な映像──なぜかネコ娘のコスプレ場面が多めにチョイスされていたのもミソ(笑)&ラストが1年目のOPの最後のシークエンスと、3・4クール目EDの「ゲゲゲのゲ〜」の歌詞部分の集合カットで繋いでいるのも泣かせます──と、鬼太郎のナレーション、予告パートを利用した鬼太郎ファミリーの挨拶(ネコ娘の「いや〜ん、バカンス♪」ってAR台本通りだったのかしらん???──で幕を閉じる恰好となっています。

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