暮田公平氏、初演出!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ
『マリー&ガリー』3話と4話は、個人的に大注目していた暮田公平氏(『デジモンセイバーズ』『鬼太郎』での演助で、両作とも劇場版での助監督も担当)の初演出エピソードです。
1話2話は連続ストーリーに近い形でしたが、3話からは一話完結となります(もっとも、演出/作画はいわゆる2本持ちというスケジュールのようですが)。
3話は、マリカがガリハバラで見かけたイケメン青年のニュートンに心ときめかせてしまうお話。
・・・あらすじ的にまとめると、この作品は、本当にある種ワンシチュエーションで押してゆくようなところがよく判りますね〜(笑)。
3話は、いきなり飛ばした執事喫茶とヒツジ喫茶の勘違いというお約束ギャグが登場(笑)。シナリオが『おねがいマイメロディきららっ☆』での、意外にアホアホなお話が印象深い井上美緒さんということを鑑みると、マッチョなヒツジ喫茶というシチュエーションはシナリオ通りなのでは? というカンジ。
そこをまた、良い具合に暑苦しい感じに描いていて、下手なギャグではありますが文句なく愉快です。
また、ガリレオのお尻をマリカが傘でカンチョーするといったお下劣なギャグ(笑)も印象的♪
ナルシスト極まりないニュートンの逝っちゃってる感も面白すぎ!
この話で特徴的なのは、“フラフラとは根が生えて飛んで行く”マリカや、マリカを止めようと綱引きよろしく引っ張るガリレオ、ニュートンのトリコになったマリカが彼の掌にのっているシーンなど、比喩的な表現が文字通りそのまま映像化されていること。ギャグ的にもシュールな雰囲気作りとしても、高い効果を上げております。
また、そのニュートンの掌にのったマリカのシーンもそうですが、彼の言葉に合わせてマリカの体がリンゴに変化してしまったり、ガリレオにからかわれてムッとしたマリカがガリレオをぶっ飛ばすシークエンスを、ゴルフのティーショットにしてしまう描写など、マリカの主観的なシチュエーションを重視して、ストーリー上は相当に脈絡無くシーンが繋がっているように、わざと感じさせるところも注目点です。
これによって、1話2話とはまたアプローチの異なる幻夢的な空間を描いていると言えるのではないでしょうか?
このアンロジカルな感じが、3話を大変面白くしておりました。
で、今週放映の4話は、マリカがガリレオに連れてきてもらったガリハバラのラーメン屋は、電波の波を麺に変換して製麺している評判の店だが、マリカはそれほど美味しいとは感じなかった・・・というお話。
押井守氏の『立喰師列伝』を意識したと思われる(特にシナリオが)内容なので、電波を麺に変換するという発想は面白いのですが、 デコレートされたグルメネタが必要以上に印象に残ってしまいますね〜。
その意味では、もう一がんばりして欲しいストーリーではあります。
話の舞台となるのは、ほぼヘルツのラーメン屋の店内のみという、いわば密室劇。
狭い店内を強調して、カウンター越しのバストショットのBGが常に超広角的に歪んでいるのがミソ──つか、『立喰師列伝』繋がりで押井守的なものを敢えて意識していたのかしらん? とか勘ぐってしまったりヽ(´ー`)ノ
何度か出てくるラーメン大好き小池さんwなめの店内の様子のカットも、広角&圧縮効果風のレイアウトで、そこも(小池さんというパロディもデスが)面白いところ。
定番ギャグではありますが、ヘルツとマリカの美食対決の比喩として竜虎(虎は猛獣バージョンのペットになっているのも愉快)もイイカンジ。
今回ギャグとして一番ケッサクだったのが、ヘルツがラーメンを出すたびに丼に指を突っ込んでいる描写で、それに対してマリカが激怒。そのリアクションは無く次のシークエンスにジャンプすることで、ヘルツのスルーぶりをアピールするカットチェンジがテンポも良く笑わせて頂きました。また、ヘルツがエスカレートしていって、仕舞いには指四本を突っ込んでしまう展開(そして丼からコボレそうなほどスープが揺れる描写もグー)もナイス。
と、演出的な小技は随所に光るものがあり、やはり暮田氏はデキル方だったと再認識。
・・・ただ4話までみて思うのは、(内容的な出来不出来とは別に)視聴者ターゲットを絞り切れていない感じがあって、そこがどことなく弱い感じもちょっとしますね〜。
また、毎回テーマ的に出てくる科学的なネタを、シュールギャグのネタとして使うのは面白いのですが、それが単にパロディレベルに留まっていて(4話で言えば小池さんとあまり変わらないレベル)、元ネタを知っていればニヤリと出来るものの、そこから逆に元ネタへ辿り着くための“興味”を子供たちに起させることが出来ているのかどうか? と言う点で、割合と微妙なものもあります。
これが、今後どう克服されてゆくのか? も興味深いところデス。
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