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2008年8月14日 (木)

あなぐらたんけんヽ(´ー`)ノ

やってきました! 52話以来の貝澤演出回!(余談ながら、昨年とまったく同じスパンでの直接演出エピソードだったりww)
貝澤演出回でのお約束で、今回は激烈長文です。・・・本当はちゃんと本文に沿ってキャプチャ画像を入れて、きちんと紹介していきたいところなのですが、もうコミケが目の前なので、またも画像は割愛です(陳謝!)

シリーズディレクター(総監督)ではあるものの、貝澤さんの5期『鬼太郎』での直接演出は、今回を含めてまだ僅かに6回。しかし、5期『鬼太郎』の間口の広さそのもののという感じの、ある種ボーダーラインギリギリな(笑)エピソードを多く担当されているのがミソ。・・・スラップスティックな40話はもちろんですが、実はファンタジーに大きく寄った19話も、『鬼太郎』としてはおそらくボーダーラインギリギリなんですよね。
そしてこの69話もまた、ボーダーラインギリギリのエキセントリックな内容に仕上げてきております(でも、これは誉め言葉ですよ! 念のためヽ(´ー`)ノ)。

まず、前回のシリアスでスケール感の大きい、そしてシリーズ構成的にも重要なエピソードの翌回が、このシュールなお話という激烈な落差に驚嘆! 
しかも、作品のシリーズディレクターが、前回ではなく今回の演出を直接手がけてしまうフェイクローテーションもタマリマセン♪(普通は逆なのでは? と思ってしまったりw そうでなくても、貝澤さんは各話演出に関して言えばローテーションからは実質的に抜けている、“ここぞ!”という形の遊撃的な立ち位置のハズですからね(笑))

鬼太郎が、いやけ虫という奇妙な虫にとり憑かれ無気力になってしまった。目玉おやじとネコ娘は、妖怪世界の昆虫博士と呼ばれる穴ぐら入道の住処へ鬼太郎を連れて行くことにする。その穴ぐら入道の住処であるトンネルには、ねずみ男にそそのかされたTV番組制作会社のプロデューサー氏と、部下の取材クルーが潜入し、穴ぐら入道をスクープしようと目論んでいた。

というのが、実際の本編の(=貝澤さんのコンテを元にした)筋立てで、アニメ誌等で公表されていた69話の(決定稿シナリオを元にしたと考えられる)あらすじと比べると、かなり雰囲気が異なります(笑)。
例えば、シナリオ段階にはあったと思われる、今回の人間側のゲストキャラであるプロデューサー氏の本名「矢留木」は見事にオミット。辛うじてタイムキーパーさんの名前こそ、彼女が恐怖のあまり幼児退行してしまった時の台詞の中に登場しますが、いずれもクレジット上では「プロデューサー」「タイムキーパー」とされています。・・・おそらく「矢留木」という名前が、いやけ虫が鬼太郎から移る先であることを、暗に示してしまっているための変更ではないかと思います。
また、村人たちの制止を振り切るような描写もありませんし、そもそも穴ぐら入道の住処へと続くトンネルが、部下の実家付近であるという設定もナシになっており、貝澤さんのアレンジが、状況説明的な部分を極力簡略化して、他の部分をより多く描くため、いわば尺を稼いでいることを伺わせます。

このインパクト抜群のプロデューサー氏は、作監の仲條久美さんのデザインというよりも、どうみても貝澤さんのラフ画を元に仲條さんがクリンナップした趣が臭い──もとい匂い立っております。
しかも、野心家であることを一撃で表す、鼻息の噴出表現=『鬼太郎』での貝澤さんが好んで使うコミカル表現! に加え、黒目部分が鳴門を描いてぐるぐる回ってしまう、ギャグっぽく狂的な雰囲気を見せる演出など、演出面でプラスアルファされた強烈な個性が、愉快でもあり圧倒もされます(笑)。
彼のセリフ回しがお姉言葉というのも、イイ意味でギョーカイ人のステレオタイプな感じですし、またことあるごとに「ミステリーを撮りなさい! ミステリーを!」とスローガンのように繰り返すところも、部下にとにかく猪突猛進させたがる、いかにも頭の悪い上司っぽくてOKヽ(´ー`)ノ・・・塩屋浩三氏独特の、ちょっと甲高い演技もハマリまくりです♪

&クライマックスで、気密服(シナリオ的には『ゴーストバスターズ』かと思います)を装着して自ら穴ぐら入道と対峙してしまう、オーバーヒート気味なストーリー展開もケッサク!

また女性キャラなのに、滝のような涙とともに鼻水もじゅるじゅる流してしまう(この泣かせ方自体が、すでに貝澤式ギャグ演出だったりするわけですが♪)タイムキーパーさんも、このカットに限らず、なんとなく貝澤さんのコンテの絵をそのままクリンナップしてレイアウトにしたような雰囲気が濃厚〜。まぁ、どのカットも相当に貝澤さんらしい崩した表情が(おそらく原画段階の演出指定で)着けられているコトもあるわけなんですけど(苦笑)。

そんな彼らが穴ぐら入道のトンネルに進入して行くシーンというのは、ホラー演出の定石をものすごく踏まえた、ある意味で教科書通りのようなサスペンス演出(プロデューサー氏が見ているモニタがものすごく不鮮明であったり、肝心の穴ぐら入道をぼんやりと捉えた途端、画面が途絶したり、その後ヘッドフォンから奇怪な声が漏れてきたり)がなされているのですが、カメラにべっとり付いてしまった、タイムキーパーさんの鼻水を拭き取る描写や、プロデューサー氏がヘッドフォンに耳を当てると、彼女たちの悲鳴が大音量で聞こえてきて、メガネにひびが入ってしまうとか、小ネタ的なボケをいちいち加えることで、あまり定石通りには見えない、シュールさやエキセントリックさを強調させているわけです。

ゲスト妖怪である穴ぐら入道自身は、登場カットはほぼ座ったままで、ほとんど動きがないのですが、彼の髪の毛や鼻毛(のようにみえる変な生き物)の蠢きや、ギクシャクと首をかしげる奇妙な動き、そしてなんといっても、「誰さんかの?」と淡々とした抑揚で尋ねてくるあのセリフによって、これまたエキセントリックなオーラをバンバン醸しだしてくれます(演ずるは、「緊急事態の概要を述べよ!」でお馴染みのドクターを演じた、中博史氏:穴ぐら入道に通底する、惚けた老人の演技としては『ふたりはプリキュア』の光の国の長老が近いかも?)。
そして、今回の恐怖演出の最大のポイントとなるのが、この穴ぐら入道の吐き出す毛虫の群れ!
サブタイトル画面でも、いつもはパーティクルが収束して文字に変るところが、湧いてきた虫が文字にモーフィングするような形に、わざわざ変更。
さらに、穴ぐら入道が吐き出した虫の群れに、撮影クルーやねずみ男が溺れそうになってしまう、見るからにイヤ〜ンなカット等での、虫の大群はどうもCGIによるもののようです。・・・おそらく、例によってこの辺も貝澤さんが自分で作成されたものではないかと。

それにしても、鬼太郎の頬に着いたいやけ虫の動きといい(こちらは作画によるものですが)、とにかく虫の(生理的に嫌悪感を感じさせる)蠢き具合に、気持ちコミカルにはしているものの、かなり腐心したのではないかと──気持ち悪くなりすぎないバランスも含めて──強く感じられる画作りになっています。

で、今回はいつにも増してwグータラになってしまった鬼太郎の様も交互に挟む、二元的なエピソードですが、無気力な鬼太郎の無駄に無常観を煽った(笑)セリフの数々もケッサク。
いやけ虫を万力で引っぱがそうとするネコ娘たちの動作(彼女の足の親指に、怒りマークが描かれていたりする細かいギャグもミソ)や「ネコまんりきぃ〜〜〜!」という叫びにも爆笑。
やる気のない鬼太郎が、穴ぐら入道とともにはい出した邪気に向き合う時の、まったく気合いの入らない技の数々のズッコケ具合も楽しい限り。──しかも、ここで徹底的にズッコケさせ多分、やる気が回復した後の鬼太郎の機敏な動きと締まった顔つきが俄然引き立って、反撃する時のカッコ良さがまた目立つワケですよ!

そして、これが今回の一番スゴイ部分なのですが、鬼太郎がなぜいやけ虫にとり憑かれてしまったのか? という経緯がまったく語られることなく、にも関わらず見ていてまったく説明不足と感じさせないのデス! いやけ虫の奇妙な動きや、あまりに変すぎておかしい鬼太郎の言動などに敢えて尺を割いてきっちり描くことで、そうした疑問を抱かせないことで説明を省いてしまう。これぞ演出力の賜物といえるのでは?

しかしながら、ラストシーンは冒頭とまったく同じ、鬼太郎の喉チンコ丸だしの大あくびで終わるという、最初と最後を合わせること(こうした流れも、貝澤さんが好んで使う構成ですね)での、ちょっと惚けた、のんびりした雰囲気もヨシ。

でも、ねずみ男が穴ぐら入道の住処に捕われたままというのは毎度としても、プロデューサー氏も一緒に居座ってしまうというのは、画面上はギャグっぽくは見せていますが、よくよく考えるとものすごくダークなオチなのでは?ヽ(´ー`)ノ

さてさて、そんな69話でのネコ娘ですが、先のネコ万力だけでなく、鬼太郎がグータラな分、「私がなんとかしなきゃ!」てな具合で、活躍シーンも多いです。
なんといっても、邪気に向かってカサで急降下、リボンをワイヤー代わりにして飛び乗るアクションのカッコ良さ! ・・・でも直後に「虫キラ〜イ!」とばかりに退散してしまう、三枚目ぶりがおかしいやら可愛いやらで、ファンとしてはたまらないものがあります☆
しかし、貝澤さんがネコ娘唯一最大のトレードマークと捉えていたはずのリボンを解いてアクションを(数カットですが)させたのは、結構意外でした。
それでいて、アクションシーンでは基本設定に忠実に化けネコモードに変化させるコダワリ方も貝澤さんらしいところ。特に2年目に入ってからはネコ娘のヒロイン性が更に高まったためか、化けネコモードが微妙に有名無実化しているようなところもあったので、ちゃんと使うべきトコロで化けネコモードに変化すると、(ヒロイン的でない恐い顔にはなりますが)パワーを発揮して立ち向かっているという、がんばり感や気合いといったものがにじみ出ますよね。
他の演出さんや作監さんも、以前のように化けネコモードを積極的に使って欲しいところでもあります。

今回は、ようやく4つめの夏服=ロング丈のサロペットパンツスタイルがお目見え。これも、こうしたアクションが多いことからの逆算のスタイルチョイスだったのかも知れません。
また、劇中では日付の変っているラストカットでは、Tシャツとショートパンツのスタイルに替えています。64話(角銅博之演出)といい、これまでは土田豊氏が専売特許(?)的にこだわってきた、ネコ娘の原則日付を跨がない服装替えが、他の演出さんにも浸透しつつあるということでしょうか。

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