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2008年8月11日 (月)

第三使途、登場! でもサキエルじゃないよ(笑)

「ツチネコンの穴」の作者さんのブログで、過分なお褒めの言葉を頂いてしまいまして──嬉しいやら恥ずかしいやら──発奮。『鬼太郎』のインプレの時間を作りましたデスヽ(´ー`)ノ

で、まずは積み残してしまっている68話から。時間がないので、キャプチャ画像は今回はナシです(陳謝)。

日本各地で死人の霊が彷徨い出すという事件が勃発。これは西洋妖怪の猛攻によって地獄のバランスが崩れたためであった。ちょうど閻魔大王の呼び出しを受けて、黒鴉に連れられて地獄にやってきていたネコ娘とねずみ男は、その激しい攻防を目の当たりにする。西洋妖怪はグレムリンが作った時空トンネルを使って侵攻してきており、宋帝王からこれは五冠王が裏切り、手引きしたのだと聞かされる。同じ頃、妖怪横丁にも西洋妖怪が攻め込んでいた。地獄の異変を知り急行しようとする鬼太郎を阻もうというのだ・・・。

シチュエーションとしては、五冠王が宋帝王に突如拘束されてしまう67話のラストから続く形にはなっていますが、エピソードとしてはガッチリと前後編という形をなしているわけではありません。最近発売された「オトナアニメ」Vol.9での三条陸氏のインタビューによれば、これは意図的に行っているそうです。そこでの文言から察するに、現状で唯一きちんとした前後編となっている32話33話で、後編に当たる33話の方が大きく数字を落としたことが遠因にあるようにも思えるわけですが(苦笑)。

それはさておき、雰囲気的にも真の裏切り者が宋帝王なのは67話のラストからミエミエで、それよりも彼がなぜ裏切ったのか? それとも偽物なのか? といった疑問に興味が向くように話の流れが出来ているのがポイント。
その正体が、初代ドラキュラ伯爵であり(彼がベアードと対等の関係というところで、その凄さを感じさせる辺りもオイシイですね!)、数十年という長期的なスパンで地獄を侵略しようとしていたことも明らかになります。
また、人間の血液を糧とするドラキュラが血の池地獄の力を吸収して、絶対的な不死と再生能力を手に入れ、巨大蝙蝠をも育てていたという展開が、とてつもなくイカしていて、このシーンでの初代ドラキュラの解説台詞も最低限である分、逆にオオッ! と膝を叩いてしまうところもあります。

クライマックスとしては、鬼太郎と初代ドラキュラとのバトルになるのですが、ドラキュラのファイティングポーズがいちいち格好良く決まっていて、この辺はさすが藪本陽輔作監回! という感じですねー。
また、アクションシーンは入好さとる氏のコンテの特徴である、画面スプリットやカットインを駆使した、スピード感や多元中継感を押し出した画になっております。

そして、鬼太郎が何度目かの地獄の鍵を使って初代ドラキュラと対峙するわけですが、同時に閻魔大王も地獄の鍵無しで、地獄奥義・獄炎乱舞をしかも鬼太郎のそれよりも遙かに強いパワーで繰り出す辺りのカタルシスタルときたら! 鬼太郎の武頼針とのダブル奥義攻撃というだけでなく、地獄の鍵が閻魔大王と同じ力を手にするものでもあるアイテムであると明示する上、閻魔大王はそれを上回る力を発揮するとう、三段攻撃ですからね! 燃えないわけが無い!

話の流れとしては、鬼太郎の活躍よりも、地獄でネコ娘とねずみ男が五冠王や本物の宋帝王を救い出す方にウエイトが割かれていて、この二人+黒鴉の活躍編という印象もあります。

いわば、鬼太郎側メインのバトル・シチュエーションとネコ娘側の五冠王・宋帝王救出劇のサイマル展開になっているのですが、この両者が概ね交互にくるようシーン分割されていて、全体的にはかなりスケール感の大きい(西洋妖怪とのバトルを膨らませれば、劇場作品にも出来るのでは? という雰囲気もある)仕上がりになっています。おそらく、中CMを挟まないABパートぶち抜きという、この枠独特の放送フォーマットも、怒濤で畳み掛けるようなノリに貢献しているようにも思います。

ところで、冒頭でのネコ娘とねずみ男が地獄に呼ばれて不安に駆られるシーンで、黒鴉がねずみ男にはつっけんどんに、ネコ娘に対しては妙に優しく応じている“裏表”具合が、なかなか楽しい限りヽ(´ー`)ノ なにやらますます黒鴉は『ビィト』のジークに似てきましたよ(笑)。

そんなこんなで、コミカルな部分も含めて、ネコ娘とねずみ男のやりとりが色々と楽しく(宋帝王が偽物というねずみ男を、ネコ娘がジト目で睨んでしまうとか、直後に、ねずみ男を信用して五冠王を探しに行く時のネコ娘の台詞とか)、そこも今回の見せ場の一つとして作られております。

また、ラストでは閻魔大王直々に、ネコ娘とねずみ男に鬼太郎のアシスタントとなるよう命を受けることになるのですが、ここでの二人の反応もすごく良い!
内心では反骨精神を滾らせて「これらからも勝手気ままに生きてやる!」と決意するねずみ男に対して、「本当に自分が鬼太郎を助けることが出来るのか?」と逆に不安を募らせてしまうことで、鬼太郎への真摯な想いを見せるネコ娘。この対比がものすごく“らしい”ワケです。

そして、ラストで新たに登場した西洋妖怪の幹部クラス妖怪、ヨナルデパズトーリ!
アニメ版『悪魔くん』の第三使途ですよ! しかも声も田の中勇氏が担当ですよ!
このクロスオーバー(?)ぶりにも、ゾクゾクしてしまいました。

次はいつになるのか判りませんが、近いうちに来るであろうヨナルデパズトーリの暗躍にも期待がかかります。
・・・これが『戦隊』とか『プリキュア』とかだと、即、次回からの新幹部として活躍するところなのですが、意図的にそうしない(忘れた頃に再登場させる)シリーズ構成を旨としているところが、逆に期待感やサプライズ感を巧く煽っているんですよね!

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コメント

 ザンビアたんの出番、あれだけ???
工工エエェェ(´Д`)ェェエエ工工

 今回Mr.ヨナルデが出ましたが、アニメ版「悪魔くん」って、「鬼太郎」との差別化もあってか、見事に妖怪のキャラ選択が真逆なんですよね。
 12使徒は百目坊や以外はすべて海外妖怪、ラスボスは閻魔大王(「東嶽大帝」の伝承が日本に伝わり、閻魔大王になった)だし。
 はっ、じゃあ5期鬼太郎のラスボスは悪魔くん!?(「マジンガーZ対デビルマン」は本当に2大ヒーローが戦うんだ、と思い込んでいるバカな子供の形相で)
 

投稿: 宅川剛 | 2008年8月11日 (月) 19時27分

宅川さん・・・
>ザンビアたんの出番、あれだけ???
あ、でしたね〜(^^;;
どうやって、黒鴉から逃げたのかも気になりますがヽ(´ー`)ノ

>5期鬼太郎のラスボスは悪魔くん!?
おお、それはアリかも?? 
つかメフィストあたりは、今後しれっと登場しそうですよね。・・・もちろん、古川登志夫氏が二役でww

個人的には、鬼太郎VS悪魔くんは、ぽぷりVSどれみに見えてしまったり(爆)
判るかな? わかんねーだろうなぁヽ(´ー`)ノ

投稿: ぽろり春草 | 2008年8月11日 (月) 20時38分

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