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2008年5月12日 (月)

過去への危険な旅

今週の『鬼太郎』57話は、ちょっと『スタートレック』的時間改変オチがポイントの、タイムトリップもの。

1200年前にいなくなったはずの妖怪・鵺から鬼太郎宛に手紙が届き、その文面に従い京都の鵺寺へとやって来た鬼太郎たち。Neko5701寺の本堂前に立った途端、鬼太郎と目玉おやじは奇怪な暗雲に吸い込まれ、二人は次の瞬間には時間を遡り平安時代の京都・平安京にいた。平安京では陰陽師による妖怪狩りが積極的に行われており、鬼太郎は琵琶の付喪神から鵺が人間を襲うために、人間が妖怪嫌いとなり、妖怪狩りが始まったと聞く。ならば、鵺が鬼太郎へ手紙を送った目的は果して・・・?

数年前の陰陽師ブーム(笑)以降、陰陽師=物の怪を封じる正義の味方的なイメージがあったりするわけですが、人間の味方とはいえ鬼太郎も妖怪(物の怪)。
なので、鬼太郎が平安時代にタイムトリップして陰陽師と戦う! という、このシチュエーションで「おお!」とまず唸ってしまうわけですよ。

しかも、タイムトリップした鬼太郎は否応なく、陰陽師(無慈悲に妖怪を滅する側)に追われ、(人間との共存を願う)妖怪達の味方として立ち回ることとなるため、5期『鬼太郎』の基本モチーフである“妖怪の住処を人間が追い立てた”という形にもきちんとハマっているという。
特に、今回は灯がまったく一般化されていなかった過去を舞台にすることで、良く言われる“文明の発達=人間の夜への進出”(『鬼太郎』的に言うと、妖怪のテリトリーへの侵出となるワケです)にまで思いを馳せることが出来る、優れたストーリーでもあります。

Neko5704さらに、平安時代の人間が普通に物の怪と仲良くしているシーンもあり、単にこのエピソードでの義が鬼太郎側にあることを提示するだけに留まらず、古来日本人は自然に逆らわず(『鬼太郎』的に喩えると妖怪や付喪神と共存するような形で)生活してきたことへの、ダイレクトな表現方法となってもいて、こうしたストーリーの外側にまで、容易に考えを拡げることが出来るの点が、とにかく素晴らしい!

脚本は、5クール目から参加の成田良美さんですが、初登板の「吸血鬼ジョニー」ともども(シリーズ構成を担当している『プリ5GoGo!』よりも短いスパンでの参画も含めて(ぉ)、どこか伸び伸びとした感じがありますね〜(笑)。

このように“夜は妖怪のテリトリー”であることがポイントでもあるので、従って普通なら平和を取り戻す象徴として、街の灯が戻って闇を一掃してゆくのが定番の描写と真逆の、平安京から灯がスッーと消えて行くシーンがきちんとなされており、この辺の演出も抜け目ないところです。
・・・悪玉妖怪が化け灯籠なのは、おそらくこの逆算(というか、テーマ的な必然)からなのではないかと思われます。
なので、妖怪狩りをけしかける陰陽師の長が、実は平安京の人間世界を征服したい化け灯籠でした、という展開は、ちょっととってつけた感がビミョーにしてしまうのが、玉に瑕でしょか?
陰陽師が人間制服を目論む悪玉妖怪でした、という短絡的な展開ではなく、陰陽師なりの正義として妖怪狩りをする理由に則っていた、みたいな異なる正義のぶつかり合いという構造だったならば、パーフェクトだったんですけど・・・。まぁ、1話完結でそこまで描くことは、物理的にも難しいですから、これは高すぎる要求なのかも知れません。また、下手に詰め込んでただ筋を追うだけの内容に堕してしまうよりは、このバランスの方がベターであるとも言えます。

不気味な姿で恐れられている鵺が、実は心優しく奥ゆかしい妖怪だったというオチは、定番的ではありますが、夜の闇が戻った後も、物の怪達の百鬼夜行に加わることもなく、鬼太郎を現代へ帰すのみという寡黙な態度が、なかなか感動的。野田圭一氏の渋く押さえた演技も光ります。

ところで今回、灯籠や妖怪ポスト内での鵺から手紙にはデジタル(CG)でテクスチャ処理が施されておりまして、特に石灯籠のテクスチャリングは、通常のペイントとは一線を画した雰囲気あるディテールを生みだしておりました。

Neko5702で、今回の我らがネコ娘は、冒頭とラストのみと僅かな出番しかなくてションボリ(´・ω・`)
せっかく、52話以来の新春服の中で一番キュートなセーラーワンピだったのにぃ〜〜〜。
とはいえ、鬼太郎の突然消えてしまった原因がねずみ男にあると、Neko5703勝手に糾弾してしまうプンスカ顔といい、ラストで鵺にあって見たいと、うっとりとする表情といい、心に響くカット(笑)が抜かりなく用意されていたのは、ヨカヨカでした〜〜ヽ(´ー`)ノ

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