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2007年10月 8日 (月)

涙は心の“雨”だ♪

今週の『鬼太郎』は3度目となる貝澤さんの直接演出回です。
なので、必然的に(笑)インプレは超絶長文になります。

ねずみ男が地獄の霊石を盗み出したために、その罰として無限地獄へと落とすと閻魔大王の配下の・五官王から聞かされた鬼太郎たち。鬼太郎はねずみ男に代わり、自分の命と引き替えに霊石を戻すと約束する。だが鬼太郎たち妖怪を快く思わない五官王により解き放たれた妖怪・邪魅は、ねずみ男から霊石を奪い取り呑み込んでしまった。刻限までに鬼太郎は霊石を元に戻せるのか?
──という、鬼太郎がねずみ男のために命を賭けるという牛鬼のエピソードと似たパターンのお話なんですが、感情的なウエイトがネコ娘に乗っているため、サブタイトルとは裏腹にネコ娘のピュアな想いが印象に残ります。

Neko2701ネコ娘のサービス的な見どころも結構あって、冒頭の火祭りでのアマビエとの恋のさや当て・乙女対決(笑)や、黄泉の国からさまよいだした亡霊たちを捕らえるために、ろくろ首と入浴シーンを披露したりと、コミカルな部分でもオイシイ活躍をしてくれているのも嬉しいところ♪

ストーリーの構造的には、ギリギリのところでねずみ男が鬼太郎の意気を感じて、霊石を元に戻す決意をする、という部分にカタルシスが来るよう(おそらくシナリオ段階から)計算されているわけですが、演出的にはネコ娘の鬼太郎への真摯で純粋な想いを見る側に印象づけた上で、ねずみ男が鬼太郎の「後は頼む」という信頼に応えるというより重層的な見せ方になっております。

そのネコ娘がねずみ男に感情を吐露するシークエンス──
「(ネコ娘とねずみ男の2ショット)でもね、鬼太郎はそうじゃない。あんたを仲間だと思ってる。いつだってみんなと同じに思ってる・・・ううん、それ以上かも知れない。(ここから涙がこぼれ始める/冒頭での願掛けのお札のインサート/ねずみ男の見た目=カメラ目線のネコ娘、あふれ出る涙で)羨ましいよ! 私だって、あんたくらい──(顔を背けて)バカ・・・」画面切り替わって、ネコ娘の言葉と涙に言葉も出ないねずみ男。
──は、感情ドラマ面としてのクライマックスとも言っても過言ではありません。また、自由落下状態(CGIによる背景動画のスピード感もバツグン!)で戦い続ける鬼太郎と邪魅との、手に汗握るアクションに併行する形でのコントラストもあざやか! 
で、「ねずみ男へそこまで気をかける鬼太郎の気持ちが分からない」というネコ娘の気持ちは、実は今期の『鬼太郎』のアキレス腱を奇しくも言い表していて、結果的に(幸か不幸か)そこが見る側のネコ娘へのシンパシーを助長している気もします。

Neko2702この落下中のネコ娘が、ねずみ男をじっと見てセリフを言いながら涙が溢れて留まらない! という静的ながらも、パッショネイトな感情の発露という演技こそ、貝澤演出ならではの見せ場といって良いでしょう。

というのも、自分としては貝澤さんはキャラに涙させる演出をさせるとピカイチの腕前を持っていると考えておる次第だからなのですね。
これは『ガッシュベル』や『貧乏姉妹物語』で完全に確信したことなんですが、特に子供のキャラの場合、悲しいにつけ嬉しいにつけ、感極まってボロボロと涙してしまう感情描写がここぞとばかりに入るのが、貝澤演出の一つの特徴で、目の潤ませ具合やタイミングなど技術的なリアリティと、そこへ至るキャラの感情の高まりをしっかりと印象づけるセリフやカットワークによって、安易な“お涙頂戴”とは明らかに異なる、見るものに訴えかけるナチュラルな泣きの芝居を易々と描き出してしまうのです(しかも、シナリオでは泣くとは指定されておらず──やはり泣くという感情描写は安直さというリスクを常に孕んでますから──、貝澤さんのコンテでのアレンジであることが多いのだ!)。

手前みそですが『貧乏姉妹物語』でインタビューをした時に、泣きの演技について貝澤さんは次のように述べています。
「泣かせるときに、すぐに泣いちゃうんじゃなくて、例えば泣くまでの間とか、泣き始めてからも表情が変わっちゃうとか、そういった仕組みをしないと、泣くっていう感情が上手く伝わらない部分があるので、間とか表情変化で上手く出せたらな、というのは思ってます。」
また、同じく『貧乏姉妹物語』のインタビューで、上野さんも
「やっぱり泣き顔っていうのが、貝澤さんの特徴が出ているような気がしますね。萌え的な泣き方というのではなくて、本当に実年齢の女の子のキャラクターの表情芝居をさせると、多分こうなるだろう、という感じですよね。」
と答えているほど。

ところで、貝澤さんは23年前(!)の『とんがり帽子のメモル』での伝説的な雨演出で、現在でもアニメファンの間では“雨の貝澤”と言われていたりもするのですが(もっとも、貝澤さんは雨という事象そのものにこだわっているわけではないと思われる節が多々あるで、実は“雨の貝澤”という喩えは少々短絡的なのですが)、そんな具合なので『われら青春!』の主題歌(ああ、これもいずみたくの作曲ですな)ではありませんが、「涙は心の汗」ならぬ「涙は心の雨」てなトコロでしょうか??(笑)

Neko2703ちなみに、今回からのネコ娘は秋服に衣替え。予想通り(?)基本のコスチュームには戻らず、新しいカーディガン&スカートというスタイル♪ 次回も新しい私服で登場するようで、今や基本のジャンパースカートがむしろレアになりつつあるような(笑)。

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コメント

感想お疲れ様です
五官王はぬらりひょん、バックベアードとはまた別の勢力として登場しそうですね
妖怪そのものを嫌悪している感じでしたから

鬼太郎に心配してもらえるねずみ男に嫉妬する猫娘でしたが、鬼太郎とねずみ男の過去話とか是非やってほしいですね

ねこ娘の秋服もよかったですねー
カーディガンにスカートもかなり似合ってたと思います
秋の衣装も夏みたいに3サイクルで行くかもしれないですね

後、ED曲がノリの良い諏訪部さんの歌に変わりましたね
なんとなく5期の方向性もこの曲でわかってきた気がします
5期は鬼太郎ファミリーではなく横丁ファミリーが中心で全体的に明るい雰囲気だけど、たまに「ゆうれい電車」みたいな怖い話もあるといった感じでしょうか

シリーズ構成がエンタメ色の強い三条氏のみになったのも今後に影響しそうですね

投稿: ずんどこ | 2007年10月12日 (金) 00時36分

ずんどこさん・・・
確かに五官王は、もう一つ別の敵になりそうな気配がありましたね〜。
3クール目の頭のエピソードでもありましたし、閻魔大王も二度目の登場でしたし、ちょっと期待したいところです。

ネコ娘は次回もまた違う服装をしているようなので、元々の服装と合わせれば、すでに3パターンという感じですね。>秋服
・・・それとも、もう基本の服はとりあえずOP・EDでしか見られないなんていう、スゴイ状況になったりするのか?(笑) という辺りも期待がかかりますデス。

新EDは、RGP風のキャラ歩きシーンでの囲みの妖怪が色々変わるというのもウリだそうです。
話題沸騰のwラブリー&ファンシーなネコ娘とろく子さんのカットの直前が、いかにも水木しげるマンガっぽいおどろおどろした妖怪たちのPANカットで、この落差が、明るく楽しくて、ちょっと凄く恐い、という今期の『鬼太郎』をとても象徴しているように思っています。

>シリーズ構成がエンタメ色の強い三条氏のみになった
個人的には、今期の鬼太郎とネコ娘は、『冒険王ビィト』のビィトとポアラの関係に似ていると感じているので、二人の関係性にもう少し踏み込んだ話が増えると嬉しく思う次第ですね。

投稿: ぽろり春草 | 2007年10月12日 (金) 23時40分

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